弁護士谷直樹/医療事件のみを取り扱う法律事務所のブログ

中国は美容整形医療取り締まりを強化

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写真は,新宿御苑です.

◆ ミス成都の美容整形死亡事故

元ミス成都の王貝(ワン・ベイ)さんが,2010年11月15日,下あごを細くする手術中に多量の出血をし血液が気管に詰まって窒息死しました.これを受けて,中国衛生当局は,美容整形医療機関の取り締まりを強化すると発表したそうです.

エクスプロア上海は,「中国衛生当局、美容整形医療の取り締まり強化へ」〔2010年12月12日掲載〕として次のとおり報じています.

 「芸能人が美容整形手術をして死亡した事件を受けて、中国衛生当局は、中国全国を対象にした美容整形医療機関の取り締まりを強化すると発表した。
 その主な内容は、美容整形業界の発展計画を作成し、関連する法整備を急ぎ、政府による管理を強化するというもの。また、美容整形分野への人材育成にも力を入れるという。また、各分野の医療機関が行える美容整形手術の範囲も定める。
 現在、中国では韓国の美容整形などの名前を借りた医療機関が急増、業界の混乱が指摘されていた。(岸田賢治)」

◆ 日本での美容整形事故の報道

日本では,美容整形分野の事故が報道されることは少ないのですが,2009年12月,東京都豊島区南池袋の或る美容外科で腹部脂肪吸引の手術を受けた70代の女性が手術から2日後に死亡した事故が報じられました.
なお,札幌美容外科の本間院長のブログによると,「美容外科の手術で亡くなられた方が、実名を公表されて…遺影までTVで報道されるのは、極めて異例なことです。知らないところで、事故が起こり、そのまま示談で解決されているケースも私は何件か知っています。」とのことです.

◆ 国民生活センターの報告

一部の腋臭治療,包茎手術は保険適用があるのにその説明を怠った,後から追加料金を求められた,キャンセルをしたら高額な違約金の請求を受けた,キャンペーン価格を理由に高額な施術の契約をせかされた等,消費者契約被害類型の相談と,後述の医療事故類型の相談とがあります.

国民生活センターによると,「プチ整形」「レーザー脱毛」「豊胸」「脂肪吸引」等の広告が目につき,販売方法や広告に問題のあるものや,医師が行う美容施術において皮膚障害や熱傷など危害を受けたという苦情相談が寄せられている,とのことです.
相談は増加傾向にあり,危害に関する相談(医療事故類型)は, 201件(2005年), 239件(2006年), 235件(2007年), 238件(2008年), 287件(2009年)と増えています.2010年は,途中ですが,128件(前年同期119件)と増加傾向がみてとれます.

相談者の申出内容をもとに,国民生活センターがまとめた医療事故類型の「最近の事例」は,以下のとおりです.

● 顔の肝斑(かんぱん)を除くためのレーザー治療を受けたが、内出血しあざができてしまった。医師には「よくあること」と言われた。納得できない。
•美容外科での脱毛によって白斑ができ、医師が一度は落ち度を認めたもののその後、他院の診断書をもらうようにと態度をくつがえした。
● 二重まぶた手術を受けたが、まぶたが化膿して腫れ、目が開けられない。再度診療を受けたが悪化している。
● 数年前に美容外科医院で腋臭と多汗症の施術を受けたら、傷痕がケロイド状になった。きれいに治してその費用を請求したい。
● 病院で足と腕のレーザー脱毛を受けたが、3週間経つのに炎症が治まらずかゆみもある。別の皮膚科で火傷と診断された。返金してほしい。

術前によく説明を受けることはもちろんですが,消費者契約被害類型でも,医療事故類型でも,疑問を感じたら,国民生活センター或いは弁護士に相談した方がよいでしょう.


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by medical-law | 2010-12-13 11:56 | 医療