弁護士谷直樹/医療事件のみを取り扱う法律事務所のブログ

イレッサ訴訟、製薬会社が和解勧告受け入れ拒否

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読売新聞は「イレッサ訴訟、製薬会社が和解勧告受け入れ拒否」と以下のとおり報じています.

 「肺がん治療薬「イレッサ」(一般名・ゲフィチニブ)の服用後に死亡した患者の遺族ら計15人が、国と輸入販売元の製薬会社「アストラゼネカ」(大阪市)に計約1億8000万円の損害賠償を求めた訴訟で、同社は24日、7日に東京、大阪両地裁が示した和解勧告を受け入れないと両地裁に回答したことを明らかにした。
 この訴訟では、原告側は12日に両地裁に和解協議に応じる意向を伝えている。
(2011年1月24日19時22分 読売新聞)」

いかにもアストラゼネカらしい対応ですが,判決となれば.被告アストラゼネカの敗訴は確実です.高裁で争うつもりでしょうが,高裁でも被告アストラゼネカの敗訴は変わらないでしょう.

【追記】
薬害イレッサ統一原告・弁護団は,「声明」を発表し,「被告アストラゼネカ社に対しては,がん患者の尊厳を踏みにじる惨禍をもたらした責任を改めて自覚し,いま一度,真摯な反省のもとに和解協議の諾否について再考し,和解協議に応じることを強く求める。」としています.
被告国に対しては,「薬害イレッサ訴訟の当事者として,裁判所の勧告を真摯に受け止めて和解協議に応じることはもちろん,被告アストラゼネカ社に対して同様に和解協議の場につくよう働きかけることが,薬事行政を担う国・厚生労働省の当然の責務である。」としています.

イレッサ訴訟の解決を引き延ばすことは,適切とは思われません.被告国には,賢明な判断が求められています.

谷直樹
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by medical-law | 2011-01-24 19:32