弁護士谷直樹/医療事件のみを取り扱う法律事務所のブログ

遺伝子検査ビジネス

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◆ 日本の現状

遺伝子検査ビジネスの広告をよくみかけます.
経済産業省の昨年2月の調査では,遺伝子検査を行う業者は330で,インターネット通販やクリニックなどで販売されているそうです.肥満,生活習慣病,がん,アルツハイマー病のリスク判定をうたうもの,健康食品などの販売につなげる例や、肥満や骨粗しょう症の遺伝子検査を客に受けてもらい、結果に応じてエステメニューの提案に利用するエステサロンもあるそうです,
子供の才能がわかるとするものまであり,それは5万5千円だそうです.(2010年8月14日読売新聞「遺伝子ビジネス野放し、根拠不明確な例も…規制求める声」参照)

◆ 米国の事情

李啓充先生は,米国のドラッグストア・チェーンでの遺伝子診断販売計画問題について,カウボーイ精神から,自分の命は自分で守るという精神風土があり,「自分の遺伝リスクを知ることで将来起こり得る病気に対し前もって備える」という論理にのりやすい,と分析しています.
米国会計検査院特別捜査部門主任が,遺伝子診断ビジネスを調査した結果,同じ検体で異なった診断になった,既に心疾患を患っているのに,診断は「低リスク」だったなど,診断の正確性に疑問を呈する報告をしたそうです.
詳細は「続アメリカ医療の光と影第183回 遺伝子診断ビジネスの『幻想』」をご参照ください.

◆ 問題

遺伝子解析技術がもてはやされる傾向にありますが,遺伝子解析の精度はそれほど高いものではありません.
遺伝子検査ビジネスについての苦情が国民消費者センターなどに寄せられることがあります.消費者保護の視点から,日本人類遺伝学会は,第三者機関,法整備が必要と提言しています(朝日新聞2010年10月29日「遺伝子検査ビジネスご注意学会警鐘『根拠あいまい』」参照).

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谷直樹
by medical-law | 2011-01-29 11:49