日本小児科学会、日本周産期・新生児医学会、日本未熟児新生児学会の共同見解
共同見解は,「乳児の水分摂取必要量は成人に比べて多いため、短期間であっても、水分摂取不足は重大な健康障害を起こします。」と指摘しています.
乳幼児は,体重あたり,成人のだいたい2,3倍は必要でしょう.
共同見解のまとめは以下のとおりです.
「1)母乳栄養の児では、母親は制限なく食事を摂取し、母乳栄養を続けてください。
2)人工栄養の児では、ミネラルウォータを使用してミルクを調整することは可能ですが、煮沸し適温にしてから使用します。一部の硬水では、粉乳が十分に溶解しないことがあります。また、硬水には多くのミネラルが含まれており、乳児に過剰な負担を与える可能性があります。この場合には、水道水を用いる方が安全です。
3)離乳食を摂取している乳児では、水分摂取は離乳食からも可能なので、人工乳の量を減らすことは問題ありません。
4)人工乳のみを摂取している児で、代用水が確保できない場合には、通常通り水道水を使用して下さい。」
つまり,最も良くないのは,水分摂取を控えること,です.
当然です.成人でも水分を控えるのは,血液が凝縮し血栓ができやすくなるなどの危険があります.
次に良くないのは,ミネラルの多い硬水で調乳すること,です.そのとおりと思います.
ミネラル分の少ないミネラルウォータでミルクを調整する場合,煮沸し適温にしてから使用することも書いています.
代用水が確保できない場合にはミネラル分の多い硬水で調乳するより汚染されていても水道水を使用する方がよい,ということです.
もちろん,そのとおりなのですが,水道水がでないときもあります.
共同見解は,水道水がでないときにどうするか,は書いていません.
計画停電の影響などで水道水がでなくなったり,濁ったりする場合もありますが,
八王子市水道局によりますと,
水道水をくみ置きする時は
・空ペットボトルなど、密閉できる容器を使う
・あらかじめ十分に洗浄しておく
・容器の口元いっぱいまで水道水を入れる
・きちんとフタを閉め、冷暗所に保存する
保存期間は3日間が目安
とのことです.
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谷直樹