弁護士谷直樹/医療事件のみを取り扱う法律事務所のブログ

平成23年3月30日の医療事件の判決

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この間の判決報道は1件のみでした.病院の事故調査委員会の結論とは異なり,裁判所が医療過誤を肯定した事例です.

◆ 富山地裁平成23年3月30日判決(感染症)

富山医科薬科大(現富山大)付属病院で2004年9月大腸全摘出手術を受けた患者(女性,当時20歳)が感染症にかかって敗血症性ショックで同年12月12日死亡した事案です.
病院は,遺族の指摘で医療事故調査委員会を設置し,2005年9月に「明らかな医療過誤があったとは判断できない」との調査結果をまとめていました.

原告側は,発熱や下痢などの症状があり感染症が十分に疑われるのに担当医が早期に治療薬の投与などの処置を開始する注意義務を怠った,と主張しました.

被告側は,治療薬を投与した12月11日より早くに感染症を疑うのは困難だったなどと争っていました.

富山地裁は,12月4日の時点で患者には発熱や多量の下痢,脱水などの症状があったことから,感染症にかかっていた可能性が高く治療を開始すべきだった,とし,患者の死亡と担当医の治療の過失とには相当因果関係がある,としました.

「「治療に過失」富山大病院に7500万円賠償命じる判決」(朝日新聞)ご参照

【追記】 富山大学は4月11日名古屋高等裁判所金沢支部に控訴しました.

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谷直樹
by medical-law | 2011-04-02 14:29 | 医療事故・医療裁判