弁護士谷直樹/医療事件のみを取り扱う法律事務所のブログ

東電救済スキームとモラルハザード

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政府の東電救済スキームは,預金保険機構で銀行を保護したように,機構を作り,公的資金を注入し,東電を絶対に潰さない,というものです.

負担を求められた融資銀行は,株主責任も問われていないのに,なぜ銀行負担を求めてくるのか理解できない。順番が違う,と述べています(MUFGの永易克典社長など).

外資系証券会社幹部も,つぎのとおり疑問を述べています,

「「リスク・リターンの原則もないがしろ。究極のモラルハザード案」(外資系証券幹部)との指摘も出ている。
別の外資系証券幹部は今回の政府のスキームについて「海外の投資家には理解できないスキームになっている」と指摘する。巨額の賠償債務を抱えることになった東電は、通常ならまず株式が最初にき損することになる。東電の株主資本は約2.5兆円ある一方で、賠償額の総額は現時点で判明していないものの、政府は5兆円のシミュレーションを作成している。少なくとも2.5兆円を超える賠償債務を追った時点で株式は100%減資となり、次に貸出金や社債がき損していく順番をたどるのが、市場原理に基づいた通常の破綻処理のケースだ。」
(ロイター「東電賠償スキーム、事実上株主・社債権者などを免責」ご参照)

株主,社債権者は,リスクを承知で投資しているのですから,債務超過による不利益を負うべきでしょう.
機構を作り,税金を投入して東電が絶対に潰れないシステムを作るのでは,モラルハザードを招くでしょう.
東電は,政治とマスコミに強い影響力をもち,原発推進の立場を変えていないのですから,東電の力を残すことになると,今後のエネルギー政策に歪みが生じるおそれがあります.
実際,東電擁護の発言を繰り返している経団連の米倉弘昌会長は,13日,北京で,「なぜ東電だけが責任を問われるのか」と述べました.

東電は,破綻に直面させる必要があると思います.

谷直樹
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by medical-law | 2011-05-15 11:44 | 脱原発