弁護士谷直樹/医療事件のみを取り扱う法律事務所のブログ

名古屋大学医学部付属病院,事故調査報告書(腹腔鏡手術で膵臓を損傷し死亡)を発表

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◆ 報道

朝日新聞「ロボット手術死亡事故「責任感じる」 名大病院院長」は,次のとおり報じています.

「昨年9月、名古屋大病院(名古屋市)で早期胃がんの76歳の男性が、手術ロボット「ダヴィンチ」を使った手術で膵臓(すいぞう)を損傷し、5日後に死亡した問題で、同病院は7日、ロボット手術では、時に、臓器に過度の力がかかる危険性があることを医師が十分認識していなかったなどとする外部の専門家らによる事故調査報告書を発表した。松尾清一院長は「非常に厳しい指摘を受け、深く責任を感じている」と陳謝した。

報告書によると、執刀した消化器外科の男性医師が、がんの転移を防ぐのにリンパ節を切除する際、手術部分を見えやすくするため、ダヴィンチに装着された鉗子(かんし)と呼ばれる器具で胃の後ろにある膵臓を圧迫。この操作で、鉗子と背骨にはさまれた膵臓が完全断裂したとみられる。

ダヴィンチは、傷口が小さくて済む腹腔鏡(ふくくうきょう)手術を支援するロボット。報告書は、ダヴィンチ自体に問題はないとしたが、医師の操作について「膵臓を慎重に扱わなかった」と指摘。さらに「手術部分が見えにくい状況で、助手が早期に開腹手術への移行を提言する必要があった」とした。」


◆ 感想

名古屋大学医学部付属病院では,外部委員をいれた事故調査を行っています.
報道からは,次の3点の問題がわかります.
・ロボット手術では、時に、臓器に過度の力がかかる危険性があることを医師が十分認識していなかった
・ 医師が膵臓を慎重に扱わなかった
・手術部分が見えにくい状況で、助手が早期に開腹手術への移行を提言する必要があった

ロボット手術に,医師が十分対応できていなかった印象を受けます.
これは,他の病院でも起きる可能性があることですから,重要な報告と思います.
名大病院は,ロボット手術のガイドラインを作成し,院内技術認定制度を設けました.

調査報告書を病院のサイトに掲載してほしいですね,

谷直樹
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by medical-law | 2011-06-08 01:34 | 医療事故・医療裁判