弁護士谷直樹/医療事件のみを取り扱う法律事務所のブログ

日本糖尿病学会の遠回りな話,HbA1c値の算出法変更

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◆ 「保険者による健診・保健指導等に関する検討会」

キャリアブレイン「HbA1c値の算出法変更、1年先送りも- 厚労省検討会」は,次のとおり報じています.

「厚生労働省は7月4日、「保険者による健診・保健指導等に関する検討会」(座長=多田羅浩三・日本公衆衛生協会理事長)を開き、特定健診の検査項目で、糖尿病の診断基準の一つでもある「HbA1c値」の算出法を国際標準であるNGSP値へと見直す時期について、引き続き議論したが、この日も意見がまとまらず、結論は先送りとなった。」

「白川修二委員(健康保険組合連合会専務理事)は、「来年4月までにシステムを変える必然性が分からない。2013年度からでもいいのではないか」と指摘。」

「参考人として出席した門脇孝・日本糖尿病学会理事長は、「診療報酬改定が予定されている来年度に合わせてシステム変更すれば、(健診機関の)コストを最小限に抑えることができる」と述べる」

「貝谷伸委員(全国健康保険協会理事)は同省に対し、「(来年度までに)技術的に何ができて、何ができないのかをはっきりさせるべきだ」と主張した。」


NGSP値は,国際共通基準ではありません.
厚労省検討会は,欧米のHbA1c(NGSP値)へ移行する時期を議論していますが,そもそもNGSP値への移行の適否自体を検討すべきと思います.

◆ 3つのHbA1c算出法

HbA1cの算出法は,国によってまちまちです.日本のHbA1cの算出法では,欧米のHbA1c(NGSP値)よりも0.3~0.4%低くなります.
日本糖尿病学会は,欧米の研究論文を読むときに不便なので,欧米のHbA1c(NGSP値)との併記の段階を経て,欧米のHbA1c(NGSP値)に移行しようというのです。
さらに,欧米のHbA1c(NGSP値)と国際共通基準のHbA1c(IFCC値)を併記し,最終的には,国際共通基準のHbA1c(IFCC値)のみにしようというのです.

これは,患者に戸惑いと混乱を生じさせます.
欧米のHbA1c(NGSP値)を表記する意味がわかりません.
国際共通基準のHbA1c(IFCC値)に直接移行すればすむことです.

研究者が欧米の論文を読むときの便宜より,患者の便宜を優先すべきと思います.

谷直樹
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by medical-law | 2011-07-05 09:34 | 医療