弁護士谷直樹/医療事件のみを取り扱う法律事務所のブログ

全国薬害肝炎原告団,大臣協議

b0206085_10173039.jpg◆ 大臣協議

昨日7月8日は,全国薬害肝炎原告団・弁護団と厚生労働大臣との協議の参加しました.

大臣協議は毎年行われ,今回が5回目です.全国1800人の原告から100人以上が集まりました.

山積みの課題の1つ1つについて厚生労働省にその進捗を問いただし,回答をもらいますが,とくに直接厚生労働大臣にきかねばならないことを重点的に質問し回答をもらいます.
質問したのは,原告の代表の方など一部ですが,100人以上の人が注目するなかで行われました.

細川大臣は,メモを読みあげることも多かったのですが,自分の言葉で話すときは積極的な内容も述べ,誠意を感じました.

◆ 薬害の再発防止

「薬害肝炎事件の検証及び再発防止のための医薬品行政のあり方検討委員会」の「最終提言」に基づき,医薬品の安全性を確保するための法改正が行われるはずなのですが,厚生科学審議会医薬品等制度改正検討部会での審理は遅々として進んでしいません,具体的な法案のたたき台がでてこないと議論は進みません.細川大臣は,事務局に督促したいという趣旨のことを述べました.また,検討部会にも時間があれば自ら出席すると述べました.
第三者機関については,今月中に案を示すよう努力し,原告団の意見をきくとのことです.
添付文書は法律的義務にしていかなければならない,添付文書の重要性については重ねて伝えていく,とのことです.

◆ 薬害被害者への恒久対策

肝炎患者は,①インターフェロンの回数制限と②身障者認定の厳しすぎる要件で,現実に困っています.
これについては,細川大臣から現場の声をしっかりと受け止めて対策に取り入れていくことが大事である,前向きに検討していきたい,という答えがありました.
肝炎治療の現場では,患者のみならず医師もインターフェロンの回数制限,身障者認定の厳しすぎる要件はおかしい,と言っていますので,その声に耳を傾ければ,緩和する必要があることをわかってもらえると思います.

◆ 非特定製剤

「特定フィブリノゲン製剤及び特定血液凝固第Ⅸ因子製剤によるC型肝炎感染被害者を救済するための給付金の支給に関する特別措置法」は,その名のとおり,特定の製剤に限定しています.
当時,原告がいて裁判で争われていた製剤を中心に特定の製剤をあげて,立法したのですが,衆議院,参議院の付帯決議で,「特定フィブリノゲン製剤及び特定血液凝固第IX因子製剤以外の血液製剤の投与によるウイルス性肝炎の症例報告等を調査し、その結果を踏まえて受診勧奨等必要な措置について、早急に検討すること。」とされています.

本来,とっくに,調査をすませ必要な措置を行っていなければならない筈なのですが,まだ行われていません.
この点をきくと,調査します,とのことで,調査した結果感染の事実がわかれば必要な措置をとらねばならないことも理解いただいているようでした.

◆ 立法と行政

「特定フィブリノゲン製剤及び特定血液凝固第Ⅸ因子製剤によるC型肝炎感染被害者を救済するための給付金の支給に関する特別措置法」は議員立法ですが,改正案の提出は厚労省からもできます.
細川大臣は,まずは立法府で,立法府が何もせずに懈怠しているようであれば当然行政のほうでも検討しなければいけない,という考えを述べました.
しかし,立法府と行政府でどちらが先に動くか見合っていてもはじまりません.
よいことは競って行ってもらいたいものです.

谷直樹
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by medical-law | 2011-07-09 10:04 | 医療