弁護士谷直樹/医療事件のみを取り扱う法律事務所のブログ

日弁連,原子力等に関する不正確な情報又は不適切な情報に対する常時モニタリングに関する会長声明

b0206085_17443651.jpg先日からツイッターをはじめました.以前から高橋智先生に奨められていたので,いつか時間ができたら始めようと思っていました.

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ブログで原発事故の危険情報を書いていた時期もあったのですが,原発に目を奪われている隙に,政府が規制緩和など,患者の権利に対する侵害政策を進めているのを感じたので,ブログの重点を医療問題に戻しました.

ところが,最近,政府が,ツイッター,ブログなどインターネット上の原子力等に関する情報を収集し,国民を監視しはじめた,と知って,これは許せないと思いました.
そこで,ツイッターをはじめてやろうじゃないか,と考えた次第です.

東京弁護士会は,7月26日に「資源エネルギー庁の「不正確情報対応」事業の適正化を求める会長声明」をだしています.その後,7月29日に日弁連も会長声明をだしています.

日弁連の「原子力等に関する不正確な情報又は不適切な情報に対する常時モニタリングに関する会長声明」をご紹介します.

政府は、本年7月、「ツイッター、ブログなどインターネット上に掲載される原子力等に関する不正確な情報又は不適切な情報を常時モニタリングし、それに対して速やかに正確な情報を提供し、又は正確な情報へ導くことで、原子力発電所の事故等に対する風評被害を防止する」ことを目的とする原子力安全規制情報広聴・広報事業について業者に発注した。


原子力等に関する不正確な情報又は不適切な情報に対する常時モニタリングは、新聞・テレビを対象に過去3年間行われていたが、今年度は、東京電力福島第一原子力発電所事故を受けて、ツイッター、ブログなどを対象に予算を8300万円とこれまでの数倍規模に拡大して行うこととしたものである。


この事業においては、「常時モニタリング」すること、さらには、不正確とされる情報等に対して「速やかに正確な情報を提供し、又は正確な情報へ導くこと」とされているが、原子力発電や放射性物質の健康被害に関する情報は、科学的に評価が定まらないところもあり、何が「不正確な情報」であるかの根拠が不明確である。そのため、これによって、政府が「不正確」と考える情報を一方的に批判することにより、情報を発信する者に対して萎縮効果を与える結果となり、憲法21条の表現の自由を侵害する恐れが大きい。


そして政府の考える正確な情報に導くことは、政府の発信する情報と異なる情報の流通を制限し、国民の知る権利を制限することとなり、原子力発電についての世論形成をゆがめるなど、民主主義社会の根幹を揺るがせる重大な問題であると危惧せざるを得ない。


そもそも、政府による原子力事故に関する情報開示自体が不十分なものであることは、事故直後に放射性物質拡散予測情報が公開されなかったこと、炉心内の状況について事故直後の原子炉の状態に関する情報がいまだに明らかにされていないこと、メルトダウンしていることが隠ぺいされ続けたこと、放射性物質が健康被害をもたらす閾値などについて十分な根拠が示されていないことなどから明白である。また、九州電力のやらせアンケート事件によって、原発問題については、不正な情報操作さえ行われる事実が明らかになった。そればかりか、本日の報道によれば、経済産業省原子力安全・保安院が2007年8月に国が開催したプルサーマル発電に関するシンポジウム前に、地元の住民に賛成の立場で発言してもらう「やらせ質問」を中部電力に要請していたことが判明した。


このような背景の下、市民はより正確な情報を求めようとして、これまでインターネットを利用する機会が少なかった人までもが、専門家やジャーナリストらがツイッターやブログで発信する情報を得ようとしたり、有益だと思える情報をツイッターなどで相互に伝えようとしているのである。


むしろ政府が行うべきは、正確な根拠を引用した具体的網羅的な情報の開示であり、自らが十分な情報を開示しないでおきながら、市民の間における情報流通の制限につながる試みを行うことは、情報統制である。その上、前述のとおりの情報操作の動きがあることも併せ考えれば、問題の深刻さを示している。


当連合会は、政府に対し、直ちに本件モニタリングを中止することを求めるものである。


谷直樹
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by medical-law | 2011-08-04 01:25 | 脱原発