弁護士谷直樹/医療事件のみを取り扱う法律事務所のブログ

小山市民病院,東京地裁で和解(大腸がん見落とし事件)

b0206085_9335411.jpg東京地裁の審理の中で,腹部CT検査で大腸がんの陰影を正しく読み取れなかったことなどを小山市側が認め,和解に応じることになった,とのことです.

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◆ 報道

読売「小山市が和解案受け入れ 市民病院訴訟 遺族に1000万円支払い」(平成23年8月12日)は,つぎのとおり報じています.

大腸がんで死亡したのは小山市民病院が検査でがんを見落としたためだとして、同市を相手取って損害賠償を求めていた訴訟があり、市は11日、東京地裁の和解案を受け入れ、1000万円の損害賠償を遺族に支払うことを明らかにした。

 市によると、訴えていたのは2005年5月に亡くなった真岡市の女性(当時66歳)の遺族。女性は01年2月、都内の病院で大腸がんの疑いを指摘され、小山市民病院で04年9月までに大腸の内視鏡検査など4回の検査を受けたが、異常なしと診断された。05年3月、別の病院で大腸がんなどと診断され、手術を受けたが死亡した。

 遺族は07年7月、「死亡したのは、市民病院の検査の見落としが原因」として、慰謝料など約3400万円を求めて提訴。病院側は「検査に落ち度はなかった」として争っていた。審理の中で、腹部CT検査で大腸がんの陰影を正しく読み取れなかったなどと市側が見落としを認め、和解に応じることになった。

 女性の夫(82)は「一方的に病院側に非があり、和解案には強い不満は残るが、裁判が長引くのもつらいので、受け入れることにした」と話している。大久保寿夫・小山市長は「和解に応じるのはやむを得ない」と話した。


◆ 感想

医療裁判で真実はわからない,と言われることがあります.民事裁判は裁判官が職権で事実を調査する手続きではありません.患者側が証拠で立証してはじめて真実があきらかになります.患者側弁護士の尽力により,医療裁判で真実が明らかになることもある,といえます.

本件は,医療裁判を行ったからこそ,腹部CT検査で大腸がんの陰影を正しく読み取れなかったことなどを市側に認めさせることができた,と思います.

谷直樹
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by medical-law | 2011-08-12 06:14 | 医療事故・医療裁判