弁護士谷直樹/医療事件のみを取り扱う法律事務所のブログ

妊産婦死亡症例検討評価委員会『母体安全への提言2010』, 妊産婦死亡,半数以上が回避可能性あり

b0206085_196578.jpg読売「出産時出血死の妊産婦10人救えた?治療に不備」(平成23年8月21日)は,次のとおり,報じています.

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「昨年1年間に全国で出産時の大量出血で死亡した妊産婦は16人おり、うち10人は、輸血などの処置が適切だったならば救命できた可能性が高いことが、厚生労働省研究班の調査でわかった。

 研究班は、体内での出血の進行の見落としや、輸血製剤の不備などで、治療が手遅れになったと分析している。

 研究班は、日本産婦人科医会の協力で、全国約1万5000人の産婦人科医からカルテなどの提供を受け、死因や診療内容の妥当性を分析した。

 16人の年齢は26~42歳で、17~1・4リットルの出血があった。このうち、兵庫や東京、埼玉など9都県の10人が、救命できた可能性が高いと判断された。

 年間数千件の出産を扱う大規模な産婦人科病院のケースでは、39歳の母親が子宮破裂で出血。血圧が異常低下して、1時間後に輸血が開始されたが、輸血製剤が不足し、止血のためのガーゼが子宮に過剰に詰め込まれた。各委員からは「輸血体制が不備だった」「ガーゼで傷が悪化したのでは」などと問題点が指摘された。」


妊産婦死亡事故は,半数以上が回避可能であった可能性が高いということになります.

昨年1年間に全国で出産時の大量出血で死亡した妊産婦は16人おり、うち10人は、輸血などの処置が適切だったならば救命できた可能性が高いということです.

つまり,出血の進行に留意し,出血進行を見落とすことなく早期に治療を開始すれば,また輸血製剤供給体制を整備すれば,妊産婦死亡は半数以下になる,ということを意味します.
この報告を,患者の安全につなげていただきたい,と思います.

詳細は,「母体安全への提言2010 平成23 年4 月 妊産婦死亡症例検討評価委員会 日本産婦人科医会」ご参照.

谷直樹
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by medical-law | 2011-08-22 18:48 | 医療事故・医療裁判