弁護士谷直樹/医療事件のみを取り扱う法律事務所のブログ

東京地裁平成23年8月29日判決,聖路加国際病院の患者軽視を認める

b0206085_120620.jpg毎日新聞「賠償命令:文芸春秋に165万円 聖路加国際病院の記事で」(平成23年8月30日)は,次のとおり報じています.

にほんブログ村 士業ブログ 弁護士へ
にほんブログ村

「聖路加国際病院(東京都中央区)が、院内でパワハラがあったかのように報じた週刊文春の記事で名誉を傷つけられたとして、発行元の文芸春秋と編集長ら2人に1億1000万円の賠償と謝罪広告掲載を求めた訴訟の判決で、東京地裁(堀内明裁判長)は29日、3者に計165万円の支払いを命じた。

 判決によると、同誌は08年10月と09年3月に計3回、同病院女性総合診療部の部長と部下の対立やその後のトラブルなどに関する記事を掲載した。

 判決は一部記事の真実性を否定し、取材も不十分だったと判断して賠償を命じる一方、「パワハラは認められないが、深刻な対立で医療現場に弊害が生じていた」とも指摘。「記事は、患者軽視と言って差し支えない姿勢に警鐘を鳴らす効果があった」と病院側を批判し、謝罪広告の必要性は認めなかった。【和田武士】」


見出しだけだと聖路加国際病院側の勝訴にみえますが,
東京地裁判決は,記事の一部に真実性を認めず取材が不十分であったことについて賠償を命じながらも,記事の一部を真実と認め,医療現場に弊害が生じていたこと,患者軽視の姿勢に警鐘を鳴らす効果があったことを認定し,謝罪広告を否定したので,
実質的には,聖路加国際病院側の敗訴と言ってもよいと思います.

聖路加国際病院側が,判例上認められている名誉毀損の損害賠償額から大きくかけ離れた1億1000万円という過大な賠償を求めたのは,どのようなつもりなのでしょうか.いささか疑問を覚えます.

谷直樹
下記バナーのクリックを御願いいたします.クリックは一日一回有効です.7日間のクリック数合計が順位に反映します.

にほんブログ村 士業ブログ 弁護士へ
にほんブログ村
by medical-law | 2011-08-30 01:15 | 医療