弁護士谷直樹/医療事件のみを取り扱う法律事務所のブログ

高松高裁平成23年9月15日判決(呼吸困難で低酸素脳症となった事案,患者側逆転敗訴)

b0206085_1346819.jpg愛媛新聞「両親側、逆転敗訴 県立中央病院手術遅れ訴訟」(平成23年9月16日)は,次のとおり報じました.

「県立中央病院(松山市春日町、梶原真人院長)で手術を受けた男児(10)に重い障害が残ったのは医師が適切な処置をしなかったからだとして、松山市の両親と男児が県に損害賠償を求めた訴訟の控訴審判決が15日、高松高裁であった。杉本正樹裁判長は病院側の過失を認め県に約2980万円の支払いを命じた一審松山地裁判決を取り消し、両親側の請求を棄却した。
 杉本裁判長は「最終手段とされる気管切開以外の方法で気道確保ができない状況にあったとまではいえず、早い段階で気管切開を行うべき義務があったとすることは困難」とし、「県側に過失や債務不履行があったとは認められない」とした。
 判決によると、2002年1月、当時1歳の男児は入院中に容体が急変し呼吸困難となり、医師が気管に管を挿し気道確保を再三試みたが失敗。約2時間半後に気管切開に切り替えたが手術後に低酸素脳症と診断され、障害が残った。」


松山地裁平成21年3月10日判決も,かろうじての一部認容判決だったのですが,高裁判決は患者側完全敗訴となりました.
高裁判決は,気管切開以外の方法で気道確保ができないとはいえない状況と認定しています.ところが,この医師は気道確保ができなかったわけですので,この医師の具体的な気道確保の手技について注意義務違反がないか,が問題になるように思います.

谷直樹
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by medical-law | 2011-09-16 09:36 | 医療事故・医療裁判