弁護士谷直樹/医療事件のみを取り扱う法律事務所のブログ

茨城県,早稲田大学医学部新設誘致

茨城県,早稲田大学医学部新設誘致_b0206085_824430.jpg

◆ 報道

msn産経「早大に医学部新設打診 茨城県、医師不足解消狙う」(平成23年9月18日)は,次のとおり報じています.

にほんブログ村 士業ブログ 弁護士へ
にほんブログ村

「■笠間の畜産試跡地提案

 県が早稲田大(東京都、鎌田薫総長)に対し、医学部の新設誘致に乗り出すことが関係者の話で分かった。既に県関係者が笠間市の県畜産試験場跡地を候補地として提案しており、今後、誘致活動が具体化するとみられる。県は医師確保を最重要課題としており、医学部誘致が医師不足解消につながることが期待されるが、国は約30年間、医学部新設を認可しておらず実現に向けて課題は大きい。

 関係者によると、早大医学部の新設誘致は、早大と縁があるベテラン県議がパイプ役を務め、協議を進めている。既に笠間市平町の県畜産試験場跡地を候補地とする具体的な案も示している。

 厚生労働省の調査によると、平成20年の県の医師数は人口10万人当たり153・7人と全国ワースト2位で、県内には医療過疎地域も多い。
 県は昨年、ドクターヘリを導入して救急医療体制の充実を図ったが、根本的な医師不足は解消されていないのが現状だ。
 橋本昌知事は21年の知事選で、マニフェストに大学医学部誘致を掲げた。早大医学部誘致にも積極的な姿勢を示しているとされる。

 ただ、文部科学省などは医学部新設に慎重姿勢。昭和54年以降、新設は認められていない。今後、橋本知事をはじめ県幹部が早大への働きかけを強めていくとみられる。」


◆ 感想

医師不足が言われて久しいのですが,これに対し,問題は医師不足ではなく偏在である,増やして今度は多くなりすぎたらどうするのか,などというと反対論があり,医師の増員は実現できていません.とくに医学部新設には強い反対論があります.

しかし,現実に,医師が不足している地域があり,過重な労働を強いられている医師がいます.医師増員に反対する人たちは,具体的な偏在解消策を提案しているわけではありません.医師増員へ向けて積極的に踏む出す必要があると思います.
早大医学部構想は,何度も浮上していますが,東京には医学部が集中していますので,もし早大が医学部をつくるとしたら,地方の既設医学部のない地域になります.茨城県は候補の1つにはなるでしょう.

ちなみに,最近,早大に,中外製薬の寄附講座「現代医療最前線への挑戦」が開設されました.
2011年秋学期(2011年9月~2012年1月)に,オープン教育センター実施科目としてオムニバス形式で実施し,受講者は全学部生150名程度とのことです.
臨床医や研究者から,日本のがん医療の現状と課題や倫理観について語って頂くほか,証券アナリスト並びに実際に業務に携わる企業の社員(研究者・MR)から、がん治療に挑む製薬企業の取り組みについて語って頂く内容とのことです.プレスリリースご参照.

医学部をつくるのはとても大変なことですが,医学医療に新しい風を吹き込むためにも,医学部新設実現に期待いたします.

谷直樹
下記バナーのクリックを御願いいたします.クリックは一日一回有効です.7日間のクリック数合計が順位に反映します.

にほんブログ村 士業ブログ 弁護士へ
にほんブログ村
by medical-law | 2011-09-18 05:46 | 医療