弁護士谷直樹/医療事件のみを取り扱う法律事務所のブログ

遺族,大阪府の警察官と警察医が病理解剖を制止したとして損害賠償請求訴訟を提訴

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◆ 事案

新聞報道によると,経過は次のとおりのようです.

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男性(31歳)は,平成22年4月、大阪府豊中市の自宅浴室で倒れ、搬送先の病院で死亡が確認されました.
病院で大阪府警豊中南署の警察官と警察医が検視し,肺化膿症による急性呼吸不全を死因としました.
この死因に疑問を抱いた遺族が病理解剖を求めたところ、警察官と警察医から「事件性がないため解剖できない」と病理解剖を制止され,病理解剖が実施されませんでした.

男性の両親が大阪府と警察医に計330万円の損害賠償を求める訴訟が提訴され,第一回口頭弁論期日で,被告側は請求について争う旨答弁しました.

msn産経「病理解剖制止は不当 遺族、大阪府を提訴」(平成23年9月22日)ご参照

◆ 感想

病理解剖は,医学医療の真実を明らかにするために行われます.
病理解剖は,事件性(犯罪の疑いがあること)を要件としません.
事件性がないという理由で病理解剖を制止するという論理は成り立ちません.

他方,司法解剖は,遺族の同意は不要で,事件性(犯罪の疑いがあること)を必要とし,裁判所の許可状に基づき実施します.
警察官と警察医が,この病理解剖と司法解剖を混同するとは,およそ考えられませんし,警察官らには病理解剖を制止する権限はありません.

遺族が同意し,病院が医学医療の真実を明らかにするために病理解剖を行おうとしているときに,警察官らが病理解剖を行わないよう制止するとは思えないのですが,でもあの大阪府警ですから...

谷直樹
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by medical-law | 2011-09-23 00:28 | 医療事故・医療裁判