弁護士谷直樹/医療事件のみを取り扱う法律事務所のブログ

日弁連,障害者自立支援法を確実に廃止し・・・総合的な福祉法の制定を求める決議

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日本弁護士連合会は,平成23年10月7日,「障害者自立支援法を確実に廃止し、障がいのある当事者の意見を最大限尊重し、その権利を保障する総合的な福祉法の制定を求める決議」を行いました.

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「「Nothing about us、 without us !」私たち抜きに私たちのことを決めないで!

この言葉をスローガンとして2006年12月13日、「障がいのある人の権利に関する条約」(Convention on the Rights of Persons with Disabilities)(「権利条約」)が国連において採択された。「障がいのある人が個々に必要な支援を得て社会の対等の一員として位置づけられること(インクルージョン)」といった理念が広く浸透し、障がいのある人は、社会の一員としてすべての基本的人権を完全かつ平等に享有し、固有の尊厳を有する権利の主体であると国際的に確認され、同条約採択に至ったものである。

しかしながら、我が国では長らく障がいのある人は「権利の主体」ではなく、「保護の客体」として従属的地位に置かれてきた。我が国の障がいのある人に他の者と平等に生きる権利が保障されるためには、国内法を権利条約の求める水準に改革した上で、同条約を批准することが求められる。

権利条約を批准するため、そして、その条約が実現しようとする障がいのある人の権利が実効的に保障されるためには、障がいのある人の実感と実情に基づく当事者自身の声を最大限尊重して国内法整備が図られるべきである。そのような観点から、政府では、2009年12月から権利条約批准を実現することを目的として障がい者制度の集中的な改革を行う「障がい者制度改革推進本部」、障がいのある人を半数以上の構成員とする「障がい者制度改革推進会議」(「推進会議」)が設置され、当事者の意見を踏まえずに拙速に施行して障がいのある人の尊厳を傷つけた障害者自立支援法の轍を踏まないように55人からなる「総合福祉部会」が設置され、障害者自立支援法廃止後の新たな総合的な法制について精力的な議論がなされ、新しい法律の骨格が提言されてきた。かかる当事者主体の議論の成果を最大限尊重して法案が制定されなければ、真に障がいのある人の権利の主体性が保障されるとはいえず、権利条約の精神が活かされない。しかしながら2010年にこれらの障がいのある当事者の意見を十分に踏まえずに、障がい者自立支援法「改正法」が成立するなどの状況もあり、改革の行く末に危惧を禁じえない状況である。

そのため、当連合会は国に対して、次の事項を強く求めるものである。

1 障害者自立支援法の2013年8月までの確実な廃止

2 同法廃止後に向け、次の(1)から(6)までの事項を満たす、障がいのある人の権利を保障する総合福祉法(新法)の制定・施行
(1) 障がいのある人の「完全参加と平等」の理念の下、障がいのある当事者が多数構成員となっている推進会議及び総合福祉部会が、新しい法律の骨格について提言している意見を、最大限尊重すること。
(2) 権利条約、憲法に基づく障がいのある人の基本的人権を具体的に保障する規定を明確に設けること。
(3) 発達障がい・難病等が法の対象となるよう障がいの範囲を広げることなど制度の谷間を作らないこと。
(4) 障がいのある人の地域での自立生活を実現可能とするための支援を量的にも質的にも保障すること。
(5) 応益負担を撤廃し、障がいゆえの特別な負担を障がいのある当事者に強いないこと
(6) 「支援のない状態」を「自立」と理解する現行の介護保険制度と障がいのある人の権利保障制度とを統合せず、現行の「介護保険優先原則」を廃止すること。


以上、当連合会は、障害者自立支援法を確実に廃止し、障がいのある当事者の意見を最大限尊重し、当連合会の本提言に沿った、障がいのある人の権利を保障する新たな総合福祉法の制定を強く国に対して求め、自らも積極的な役割を果たしていくことをここに決意する。」

谷直樹
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by medical-law | 2011-10-13 01:51 | 弁護士会