弁護士谷直樹/医療事件のみを取り扱う法律事務所のブログ

弘前市立病院の医師,業務上過失致死容疑で送検(誤挿管(食道挿管)で患者が死亡した事案)

b0206085_13135279.jpg

青森放送「医療ミスで弘前市立病院医師送検」(平成23年10月14日)は,次のとおり報じました

「弘前市立病院に勤務する30歳代の男性医師が、医療ミスの疑いで書類送検された。去年2月脳疾患で救急搬送された男性患者の治療にあたった。気道確保のため気管に管を入れていたが誤って食道に入れ死亡させた疑い。病院側は検察庁の判断を待って対応する。」

にほんブログ村 士業ブログ 弁護士へ
にほんブログ村

誤挿管(食道挿管)は,注意義務違反とされています.
難しい新生児の気管内挿管でも,次のとおり注意義務が認定されています.まして,成人の患者の誤挿管(食道挿管)は,注意義務違反となります.

新生児の誤挿管(食道挿管)は,麻酔科医師に気管内挿管を的確に行う注意義務があること,産科医師に挿管後に肺の酸素化ができていることを確認する義務があること,がそれぞれ認められています(福岡地裁平成11年7月20日判決).

新生児仮死の状態で出生した新生児について,挿管を試みなかったか,挿管を試みたけれども挿管を成功させなかったとされた事案(挿管を試みたか否かに争いがある事案)で,注意義務違反が認められています(福岡地裁平成18年1月13日判決).

誤挿管(食道挿管)で注意義務違反となることに疑問を表明する医師もいるようですが,医師には気管内挿管を的確に行う注意義務があり,それに違反すれば注意義務違反が認定されます.もちろん,直ちに誤挿管(食道挿管)に気がついてやり直しをし,結果が発生しなければ,医療過誤とはなりません.

谷直樹
下記バナーのクリックを御願いいたします.クリックは一日一回有効です.7日間のクリック数合計が順位に反映します.

にほんブログ村 士業ブログ 弁護士へ
にほんブログ村
by medical-law | 2011-10-15 01:28 | 医療事故・医療裁判