弁護士谷直樹/医療事件のみを取り扱う法律事務所のブログ

千葉地裁平成23年10月14日判決(千葉市立青葉病院の熱湯死亡事件)

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◆ 事案

千葉市立青葉病院に手術のために入院していた歩行困難な患者(79歳,女性)は,平成20年11月6日に看護師の指示を受け1人で初めて入浴しました.
看護師が「何かあったらナースコールを押すこと」と言っただけで,熱い湯が出ることや蛇口の使用方法を説明しませんでした.
看護師は,約40分後、,約55度の湯が出続けている浴槽内で患者が倒れているのを発見しました.
患者は全身やけどで翌日死亡しました.

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◆ 判決

千葉地裁は、平成23年10月14日,患者は足が悪く,事故の危険性が大きかったことから,注意義務違反を認定し,約1925万円の支払いを命じました.

毎日新聞「損賠訴訟:千葉市に賠償命令 市立病院入院中、熱湯で死亡--地裁判決 /千葉」(2011年10月15日)ご参照

◆ 感想

入浴中の事故は死亡につながることが多く,入院患者は,疾患や障がいがありますので,入浴に際し安全に配慮しなければなりません.
そこまで説明しないといけないのか,と思う方がいるかもしれませんが,79歳の歩行困難な患者には,熱い湯が出ることや蛇口の使用方法を説明しないと注意義務違反となる,ということなのです.
私の自宅の浴室ですと指定した適温のお湯がでるので,また指定温度が表示されるので,よいのですが,ホテルなどでは温度が表示されないため加減が難しかったりします.
バルブ(ハンドル)が2つで蛇口が1つの場合,高齢者には,2つのバルブ(ハンドル)を加減して適温にするのが難しいことがあると思います.とくに歩行困難な患者では,バスから出ることができないので危険です.「何かあったらナースコールを押すこと」というだけでは,十分ではありません.

なお,死亡慰謝料は年齢にかかわらず2000万円以上が適切と考えます(昨日の研究会の報告者も同じ考えでした.)が,本件はどのような根拠で約1925万円としたのか,判決文が最高裁のサイトなどに掲載されたら読んでみたいと思います.

谷直樹
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by medical-law | 2011-10-16 02:06 | 医療事故・医療裁判