弁護士谷直樹/医療事件のみを取り扱う法律事務所のブログ

関東労災病院は,昭和大学病院の患者の個人情報を含む外付けハードディスク紛失で盗難届を提出しました

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◆ ハードディスク紛失

関東労災病院カンファレンス室で,2011年10月13日,学会での症例発表のためディスクを使用し整理作業を行っていた医師が約40分間席を外している間に,外付けハードディスクが所在不明となりました.
外付けハードディスクには,関東労災病院の患者の個人情報(患者の氏名,生年月日,病名などの記録)が34件,その医師が以前勤務していた昭和大学病院の患者の個人情報(患者の氏名,生年月日,病名などの記録)が213件記録されているそうです.関東労災病院は,中原署に盗難届を提出しました.

神奈川新聞「患者の個人情報を女性医師が紛失、関東労災病院/川崎」(2011年10月19日)ご参照.

msn産経「患者情報入りHD紛失 関東労災病院、247人分」(2011年10月19日)ご参照.

◆ 他院の患者の個人情報

昭和大学病院を退職した医師が,昭和大学病院の患者の個人情報をハードディスクに保管していて,関東労災病院の院内カンファレンスに利用しようとしていたことが,判明しました.

昭和大学病院の「患者さんの個人情報について プライバシー・ポリシー」では,
(1) 当病院での利用
(2) 当病院および学校法人昭和大学での利用
(3) 他の事業者等への情報提供
(4) その他の利用
に分けて,どのような目的で個人情報を利用するのかを明記しています.

本件は,昭和大学病院および学校法人昭和大学での「症例に基づく研究」にはあたりません.「他の病院との医療サービス等に関しての連携」にもあたりません.
本件は他の病院での「症例に基づく研究」です.
これは「患者さんの個人情報について プライバシー・ポリシー」に明記していませんから,個別に患者の書面による同意が必要です.

昭和大学病院の患者の個人情報を持ち出し利用することについて,その213名の患者から書面による同意は得ているのでしょうか.もし,それがなければ,昭和大学のプライバシー・ポリシーに違反することになるでしょう.

また,別な病院の窃盗事件では監視カメラで犯人が分かったことがあるのですが,本件はどうなのでしょうか.

谷直樹
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by medical-law | 2011-10-20 01:33 | 医療