弁護士谷直樹/医療事件のみを取り扱う法律事務所のブログ

国立病院機構三重中央医療センター,患者85人分の情報入りポータブルハードディスクを盗まれる

b0206085_1434640.jpg◆ 報道

国立病院機構三重中央医療センターは,10月28日,理学療法士長が保管していた、転院患者85人分の氏名やリハビリ情報などを記したポータブルハードディスクが盗難に遭ったと発表しました.

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理学療法士長は,10月11日午後0時半ごろ,機能訓練室に隣接した事務所内で,パソコンに接続していたポータブルハードディスクを,机の引き出しに入れました.
1理学療法士長は,1日夜に帰宅する際は,引き出しや事務所に施錠しました.
11,12日とも昼間は施錠していない時間帯がありました.
理学療法士長は,12日午後7時半ごろ,ディスクがなくなっていることに気付き,13日に津南署に盗難の被害届を出しました.
ポータブルハードディスク内には患者の氏名,年齢,病名,リハビリ開始日と内容,転院した医療機関名などの個人情報が記されていた,とのことです.
同センターは経緯と謝罪の言葉を記した手紙を各患者に送るとともに,センター職員に対し個人情報管理と職員不在時の施錠の徹底を指示した,とのことです.

毎日新聞「個人情報:転院患者85人分を記載のディスク盗難--津・国立病院 /三重」(2011年10月29日)ご参照

◆ 感想

11日,12日の施錠していない時間帯に盗まれた,ということになるのでしょう.
個人情報は,暗号化されていたのでしょうか.

日本は,医療機関における個人情報保護が不十分なままで,医療従事者の意識も旧弊なままで,患者個人情報管理の信じがたい実態が,時々報道されます.
報道が繰り返されていることからすると,他院での報道から学ぶこともすくないように思います.

もし,暗号化されていない個人情報がポータブルハードディスクに保管され,盗難に遭うなどという事件が,米国でおきたなら,HIPAA(Health Insurance Portability and Accountability Act)違反で,最高150万ドルの民事制裁金が課せられることでしょう.

米国では,1996年にHIPAAが公布されました.HIPAAは,健康保険加入者の3つの権利を保障する法律で,そのうちの1つに,個人の医療情報保護が規定されています.

アップル社が,医療分野で優位に立っているのは,2011年9月にFaceTimeがHIPAAに準拠している,と発表されたことも大きな一因です.
HIPAAに準拠することで,(さらに整備が必要ですが)医療機関は連邦予算でiPadを購入でき,医師同士でFaceTimeを使って症例を検討することができ,医師がFaceTime越しに問診することも可能となるからです.

日本の旧態依然の個人情報の扱いは,早急に改める必要があります.

谷直樹
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by medical-law | 2011-10-30 14:10 | 医療