弁護士谷直樹/医療事件のみを取り扱う法律事務所のブログ

大阪大学の管理体制にも問題(大学院医学系研究科の元教授の詐欺事件)

b0206085_12594755.jpg研究費の不正経理疑惑は,東京工業大学や慶應義塾大学などでもありましたが,大阪大学の森本兼曩元教授の件は,私的流用の意図が明らかで,悪質な詐欺事件として報道されています.
また,森本兼曩元教授は,教授の権力を背景に,元研究員に,ただ働き同然の状態を強いていた,と報じられています.

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森本兼曩元教授は,東京大学工学部原子力工学科を卒業し,カリフォルニア大学サンフランシスコ医学校留学(フルブライト委員会・日本学術振興会米国大学院派遣),東京大学大学院医学系研究科修了医学博士,東京大学医学部助手,東京大学医学部助教授,大阪大学医学部教授(環境医学教室),大阪大学大学院(医学系研究科社会環境医学講座)教授,大阪大学医学部医学科教育センター長兼任という経歴です.
また,ICOH 科学委員会(職業アレルギー・免疫毒性)委員長,日本衛生学会理事長,日本衛生学会編集委員長,日本産業ストレス学会副理事長,日本産業衛生学会関東地方会幹事長,厚生労働省生活環境審議会・専門委員,経済産業省化学品審議会・専門委員,文部科学省学術審議会・専門委員,厚生労働省「健康日本21」策定委員を歴任し,第30回ベルツ賞,第1回日本衛生学会学会賞を受賞しています.

このような重職,公職にあった立派な人が,どうしてこんなことをしたのか,と思う事件であります.
また,このようなことをする人が,どうして重職,公職に就けたのか,と不思議に思います.ギャップがあまりにもありすぎます.
大阪大学は何をしていたのだろう,という疑問もあります.

msn産経「ずさんな管理体制 チェック機能せず 阪大不正経理事件」(平成23年10月29日)は,次のとおり報じていました.

「阪大大学院医学系研究科では15年度まで、学部の事務担当者がすべての物品の発注や納品を仲介していた。しかし、国立大学法人となった16年度以降は50万円未満の発注に限って研究者が直接取り扱うことが可能になり、納品も研究者と研究室内の第三者による確認で済ませていた。

内部監査も書類の審査が中心だったといい、阪大監査室は「研究者の裁量が大きい割にチェックが追いつかず、不正につながったことは否定できない」と振り返る。」

阪大は今年2月、森本元教授の不正発覚を受けて再発防止策をまとめた。事務担当者がすべての物品の納品を確認することや、聞き取り調査や抜き打ち監査の実施などを盛り込み、架空伝票による物品調達やカラ出張などの防止に役立てるという。」


谷直樹
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by medical-law | 2011-10-31 09:35 | 医療