弁護士谷直樹/医療事件のみを取り扱う法律事務所のブログ

愛媛県立中央病院,患者の永久気管孔を塞ぎ窒息死

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◆ 事案

患者は,約10年前に喉頭がんの手術を受け,呼吸確保のため首の前面に「永久気管孔」(直径約2センチ)を開けていました.永久気管孔を開けると,呼吸はできますが,声が出せなくなります.
2011年11月15日に脳内出血で愛媛県立中央病院に入院し,同月17日に手術を受け,左半身不随などの後遺症はありましたが,容体は安定していました.

この患者が永久気管孔を開けている患者であることが,担当医から担当看護師に伝わっていませんでした.
12月3日午後3時ごろ,永久気管孔から異物が入らないよう当てていたガーゼを患者が外そうとする動きをし,それを見た脳神経外科の20代の担当看護師は,永久気管孔を気管切開の傷と勘違いし,口から呼吸ができると思いこみ,ガーゼの代わりに通気性のない粘着性フィルムシートを貼りました.
約1時間半後,様子を見に来た同じ看護師が,患者が呼吸停止状態になっていることに気づきました。同日午後5時5分に死亡が確認されました.
12月4日,愛媛県立中央病院は,会見を開き,謝罪しました.

◆ 感想

喉頭を摘出し永久気管孔を開けている患者は,稀ではありません.ただ,脳神経外科では,あまりみなかったのでしょう.
たしかにこの20代の担当看護師の思いこみは軽率ですが,永久気管孔を開けている患者であることは,医師・看護師で共有すべき情報です.医師は,看護師に伝えるべきと思います.
本件は,情報伝達のミス(過誤)が重大な結果を引き起こした痛ましい事故と思います.愛媛県は,遺族への賠償をすみやかに行うべきでしょう.

谷直樹
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by medical-law | 2011-12-04 14:43 | 医療事故・医療裁判