弁護士谷直樹/医療事件のみを取り扱う法律事務所のブログ

神戸市立医療センター中央市民病院と西神戸医療センターの医療事故

b0206085_2053981.jpg◆ 神戸市立医療センター中央市民病院,注射器の針がシリンジから外れ網膜剥離

神戸市立医療センター中央市民病院は,2011年12月7日,同年5月の眼科の事故を公表しました.
眼科医師が,白内障の手術の際,患者(60代男性)の眼球に注射器を刺したところ,薬液を注入した圧力で注射器の針がシリンジから外れ,眼球が内出血し網膜がはがれました.
患者は,現在も視力が戻っておらず治療を続けているとのことです.
注射針が十分固定されていなかったのが事故の原因とみられ,同病院は,事故後に注射器を針の外れにくいロック付きに変更しました.

◆ 西神戸医療センター,ガイドワーヤーを抜き忘れ血管を突き抜ける

財団法人神戸市地域医療振興財団西神戸医療センターは,2011年12月7日,同年5月の消化器科の事故を公表しました.

5月2日、消化器科の30代の医師が,手術前で食事ができない患者(40代女性)の静脈に栄養液を注入するため,上腕から胸への血管内にカテーテルの管を挿入し,ワイヤーを抜くのを忘れたまま薬液を注入し,7日後にカテーテルを抜きましったが,ワイヤーを放置しました.管を送り込むために使った約40センチのステンレス製の細いワイヤーを抜くのを忘れました.同月12日の患者のX線写真で,置き忘れが発覚し,ワイヤを取り出しました.
さらに,同センターがこの医師が同様の治療をした患者を調べたところ,4月8日にカテーテルを挿入した患者(70代男性)の体内にも約40センチのステンレス製の細いワイヤーが残り,血管を突き抜け胸腔に達していることが判明しました.
病院長はこの医師に口頭で厳重注意しました.同センターは,「重大な問題と認識しているが,患者に後遺症はなく,懲戒処分に当たらない」と述べました.

msn産経「神戸市立病院で3件の医療事故 視力低下など」(2011年12月7日)ご参照

毎日新聞「医療ミス:神戸市立2病院で計3件--4~6月 /兵庫」(2011年12月8日)ご参照

朝日新聞「患者の体内に針金 ミス2件相次ぐ 西神戸医療センター」(2011年12月8日)ご参照

共同通信「同じ医師が2人に医療ミス カテーテル、口頭注意だけ」(2011年12月7日)ご参照

民事の賠償責任が認められるためには,注意義務違反,損害,注意義務違反と損害との相当因果関係の3つが必要ですが,行政処分はそれとは別の話ではないでしょうか.
網膜剥離の結果が生じている中央市民病院の事故以上に,西神戸医療センターの事故のほうが,当該医師に対し反省を求めるべき事案だと思います.

谷直樹
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by medical-law | 2011-12-09 04:52 | 医療事故・医療裁判