弁護士谷直樹/医療事件のみを取り扱う法律事務所のブログ

「私は医者だが,見たところ大したことない」と言って事故現場から去った医師が逮捕される

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産経「スタンドでフェラーリ洗車後、店員はねる 容疑の医師逮捕 千葉・野田市」(2011年12月12日)は,次のとおり報じています.

「ガソリンスタンドで高級外車のフェラーリを洗車した後、店員をひき逃げしたとして、千葉県警野田署は11日、自動車運転過失傷害と道交法違反の疑いで、千葉県野田市中野台鹿島町、医師、××××容疑者(65)を逮捕した。同署によると、××容疑者は「ぶつけたのは確かだが、救急車が来るということなので、大丈夫だと思って帰った」と供述している。

 逮捕容疑は、同日午前10時55分ごろ、同市つつみ野のガソリンスタンドでフェラーリを洗車。終了後にバックした際、後ろで誘導していた男性店員(23)をはねて逃走したとしている。男性は左足に軽傷を負った。

 調べによると、××容疑者は店員をはねた後、いったん下車。店員の様子を一見して、「私は医者だが、見たところ大したことない」などと言い、店員が止めるのも聞かず、そのまま立ち去ったという。」


医師として,被害者店員の様子をみて,「大したことない」と判断し,店員が止めるのも聞かず,そのまま立ち去ったという事案です.
日頃大怪我した患者を診ている医師の感覚から,左足に軽傷を負ったくらいは業務上過失傷害の「傷害」にもあたらないし,道路交通法72条の「負傷者」にもあたらないと思ったのでしょう.

しかし,もちろん,業務上過失傷害の「傷害」とは,「人の生理機能を害すること」を意味しますから,業務上過失傷害にあたります.
道路交通法72条の救護義務違反にもあたります.

この医師は,2006年にも業務上過失傷害と道交法違反(ひき逃げ)の疑いで逮捕されています.
このときも,左ひざに軽傷を負わせていますので,軽傷でも「傷害」「負傷者」にあたることを学習していると思うのですが.

「××容疑者は31日午前11時30分ごろ、同市中野台の市道で、水道管工事に伴う交通整理をしていた男性警備員(19)をはねて左ひざに軽傷を負わせ、逃げた疑い。××容疑者は、同市内にある野田中央病院(34床)も実質的に経営しており、事件当時は、クリニックから中央病院に向かう途中だった。
××容疑者は警備員の指示でいったん停車したが、突然車を発進させた。 調べに対し、「人をはねた認識はない」と容疑を否認。「自分で判断すれば、交通整理になど従う必要はない」と話しているという。」
(読売新聞2006年2月1日) 

谷直樹
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by medical-law | 2011-12-12 08:14 | 司法