弁護士谷直樹/医療事件のみを取り扱う法律事務所のブログ

会社の規模と糖尿病

会社の規模と糖尿病_b0206085_17105271.jpg独立行政法人労働者健康福祉機構の研究班(班長=佐野隆久・中部労災病院副院長)の調査で,企業規模が小さいほど糖尿病患者の割合が多いことが分かったそうです.

従業員が50人未満の小企業,63.0人/1000人
50~299人の中企業,47.0人/1000人
300人以上の大企業,39.4人/1000人

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毎日新聞「糖尿病:有病率、中小で高め 再検査など指導少なく--愛知県内の323社調査」(2011年12月31日)は,次のとおり報じています.

「従業員300人未満の中小企業に勤める人ほど、糖尿病患者の割合が高く、企業側から従業員に対する検査や指導などの働きかけも少ないことが、独立行政法人労働者健康福祉機構の研究班(班長=佐野隆久・中部労災病院副院長)の調査で分かった。企業の規模や取り組みによって、有病率に差があることが判明したのは初めて。研究班は「勤務と治療の両立を後押しする仕組みが必要」と話す。【永山悦子】

 調査は、昨年から今年にかけて愛知県内の企業323社に実施した。従業員が50人未満の小企業、50~299人の中企業、300人以上の大企業に分けて解析した結果、1000人あたりの糖尿病の従業員の割合は、大企業39・4人、中企業47・0人、小企業63・0人と、企業規模が小さいほど高かった。

 また、「医療や再検査が必要な従業員に受診を勧める」と答えた大企業は8割あったが、中小企業は6割弱だった。さらに大企業の約6割は、定期健診で経過観察が必要になった従業員に定期的な検査や指導をすると答えたものの、中小企業の約7割は「何もしない」との回答だった。

 労働安全衛生法に基づき、大企業の多くは産業医が常勤する一方、中小企業の大半は、非常勤か不在だ。中小企業では細かい指導が少ないほか、平日は受診しにくいなど治療継続が難しく、勤務と治療の両立に苦労する人が多いとみられる。

 堀田饒(にぎし)・中部労災病院名誉院長は「患者への調査では、産業医がいない企業に勤める人の方が血糖値が高く、網膜症や腎症の合併症を持つ人も多かった。企業の糖尿病への関心を高め、かかりつけ医と連携を深める仕組みが必要だ」と話す。」


産業医の功績が評価された結果です.
会社がもっと従業員の健康管理に注意を払うことも必要ですし,また,患者自身も自身の健康管理に心がけ,糖尿病専門医を受診することも大事でしょう.

谷直樹
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by medical-law | 2011-12-31 16:48 | 医療