弁護士谷直樹/医療事件のみを取り扱う法律事務所のブログ

第7回水俣病事件研究交流集会

b0206085_1043553.jpg熊本学園大学水俣学研究センター主催の,第7回水俣病事件研究交流集会が,2012年1月7日から8日,水俣市公民館で開催されました.

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◆ 岡山大学大学院頼藤貴志准教授らの報告

くまにち「毛髪水銀値 50ppm未満でも水俣病症状」(2012年1月8日)は,次のとおり報じました.

「岡山大大学院の頼藤貴志准教授(環境疫学)らが、熊本大医学部の「10年後の水俣病研究班」による1971年の調査を解析した結果、毛髪水銀値についてWHO(世界保健機関)が定める危険値の50ppm未満でも、高い割合で感覚障害など水俣病の主要な症状があったことが分かった。

7日、水俣市で開かれた水俣病事件研究交流集会で報告した。

熊本大の研究班は、汚染地域の水俣市と天草市御所浦町、非汚染地域の天草市有明町で約3千人を対象に症状などを調べている。毛髪水銀値は測っていないため、頼藤准教授らは県が実施した60年の毛髪水銀調査の結果を引用、両方で調査対象となった汚染地域の120人と非汚染地域の730人を比較した。

解析によると、毛髪水銀値50ppm以上の人で口周囲の感覚障害があった割合は、汚染地域は非汚染地域の220倍。しかし、50~20ppmの場合も210倍、20~10ppmも101倍、10~0ppmも23倍となり、いずれも汚染地域が高い割合を示した。50~20ppmでは、うまく発音できない構音障害も26倍、手足先などの感覚障害も14倍となった。

頼藤准教授らは、熊本大研究班の調査を「最初で最後の大規模調査」と位置付け、2007年から再解析を進めてきた。「50ppmは急性のばく露を基にした基準。慢性的なばく露では、それ以下でも症状が出ることを再解析の結果が示している」と話している。(石貫謹也)」


◆ 協立クリニック高岡滋院長の報告

西日本新聞「「被害者はまだいる」 水俣病研究交流集会」(2012年1月8日)は次のとおり報じていました.

「患者の診察やリハビリに当たる協立クリニック(水俣市)の高岡滋院長は、一昨年12月から昨年10月にかけ、救済法の対象地域とされた天草沿岸と、対象外地域とされた天草のほかの地区と芦北町山間部で住民を検診した結果を比較する形で紹介。すべての地域で感覚障害やめまいなど特有の症状が確認でき「被害実態は、救済法で定める地域内にとどまらない」と訴えた」

◆ 日弁連水俣病問題検討プロジェクトチーム座長の三角恒弁護士の報告

 「日弁連水俣病問題検討プロジェクトチーム座長の三角恒弁護士(熊本市)は、昨年末に環境省に救済状況を公開するよう要望して拒否された経緯に触れながら「どれほどの人が申請し、救済されたのか。そうした情報は、潜在的な患者が名乗り出るきっかけになる」と述べ、今後は国会への働き掛けも検討していることを明らかにした。」

◆ 斉藤恒医師の報告

朝日新聞「申請期限に反論続出」(2011年1月9日)は,次のとおり報じました.

「新潟水俣病患者の診察と研究を続ける斎藤恒医師は、新救済策の開始以降に新たに診察した患者の症例を報告。「診察の予約は先まで埋まっている。潜在的な患者はまだまだこれから出てくるのに、とても(救済申請を)やめられる状況ではない」と強調した。」

◆ 4訴訟の原告・代理人弁護士

毎日新聞「水俣病:裁判通じた解決訴える 4訴訟の原告や弁護士らが集会 /熊本」(2011年1月9日)は,次のとおり報じました.

「水俣病を巡って現在も係争中の4訴訟の原告や弁護士、支援者らが8日、水俣市公民館で「水俣病認定制度の根本を問う大集会」を開いた。4訴訟の関係者が一堂に会した集会は初めて。各裁判の争点になっている水俣病認定基準の見直しや、裁判を通じた水俣病問題の解決を訴える意見が相次いだ。

 係争中の裁判は行政訴訟と民事訴訟それぞれ二つ。行政訴訟は(1)水俣市の農業、溝口秋生さん(80)が、亡くなった母の水俣病認定を県に求めた裁判(熊本地裁で原告敗訴、福岡高裁で係争中)(2)元水俣病関西訴訟原告の女性(86)が県に認定を求めた裁判(大阪地裁で原告勝訴、大阪高裁で係争中)。

 一方、民事訴訟は(3)50歳前後の胎児性水俣病世代の9人が国と県、チッソに損害賠償を求めた訴訟(熊本地裁で係争中)(4)新潟の患者17人が国と新潟県、昭和電工に賠償を求めた新潟水俣病3次訴訟(新潟地裁で係争中)。このうち(1)は今年2月27日、(2)は4月12日にそれぞれ判決が予定されている。

集会では弁護士や医師らが「裁判を通じて、いまだ未解明な部分が多い水俣病の病像をはっきりさせ、水俣病問題の根本的な解決を求めたい」などと訴えた。原告の1人、溝口さんは「亡き母から押されたような思いで裁判に踏み切った。ようやくここまで来た」と2月の判決への期待を述べた。

 集会には約80人が参加した。水俣病を巡る裁判はこのほか、県の認定を受けた元関西訴訟原告の女性(76)がチッソに補償を求めた裁判が最高裁で係争中だ。【西貴晴】」
 

吉勝法律事務所山口紀洋弁護士(私の元所属事務所の所長弁護士)は,溝口訴訟の控訴人代理人です.溝口訴訟は,福岡高裁第5民事部(裁判長は西謙二判事)で,2012年2月27日午後1時10分判決言い渡しが予定されています.控訴人は,第63準備書面まで提出しています.

谷直樹
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by medical-law | 2012-01-10 01:14 | 司法