弁護士谷直樹/医療事件のみを取り扱う法律事務所のブログ

妊娠中の抗うつ薬SSRI服用にご注意を

b0206085_8514029.jpgAFP「抗うつ薬SSRI、妊婦の服用で子の肺高血圧症リスク増化」(2012年1月16日)は,ブリティッシュ・メディカル・ジャーナル(BMJ)の報告を紹介しています.

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ストックホルムのカロリンスカ研究所の薬剤疫学研究チームは,1996年~2007年にデンマーク,フィンランド,アイスランド,ノルウェー,スウェーデンで生まれた単胎児160万人について調査した結果,乳児の肺高血圧症の発症率は通常1000人に1.2人ですが,妊娠20週以降にSSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害薬)を服用した妊婦1万1000人から生まれた赤ちゃんでは1000人に約3人と、リスクが2倍以上に跳ね上がった,とのことです.

抗うつ薬SSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害薬)は,フルボキサミン(デプロメール,ルボックス)、パロキセチン(パキシル),セルトラリン(ジェイゾロフト),エスシタロプラム(レクサプロ)などです.

薬害オンブズパースン会議の「抗うつ剤パキシル錠の妊婦への使用に関する要望書」(2009年10月21日)も,「パキシルを妊娠初期に妊婦が服用した場合、胎児に先天異常を起こす危険性(心房中隔欠損や心室中隔欠損のリスクが1.5倍増加する)があります。妊娠20週以降にパキシルを含むSSRIを服用した場合、新生児薬物離脱症候群及び新生児遷延性肺高血圧症のリスクが増加するというデータがあります。」と指摘しています.

同会議は,「患者が妊娠に気づいたときには、先天異常のリスクの高い妊娠初期を過ぎている可能性があり、パキシルには依存性があることを考慮すると、妊婦だけではなく、妊娠可能な患者に対するパキシルの使用を原則として禁止すること、やむを得ず使用する場合であっても、患者にリスクを十分説明し同意を得ることが必要です。」としています.

妊娠中はもちろん,妊娠可能性のある人が,パキシルに限らず,抗うつ薬SSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害薬)を服薬するのは,ハイリスクを伴います.なお,自己判断での服薬中止もリスクを伴いますので,医師と相談するのがよいでしょう.

谷直樹
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by medical-law | 2012-01-17 00:57 | 医療