弁護士谷直樹/医療事件のみを取り扱う法律事務所のブログ

済生会熊本病院,毒薬に指定されているエスラックス筋弛緩剤を紛失

b0206085_965023.jpg朝日新聞「9人分の致死量、筋弛緩剤を紛失 熊本の病院」(2012年1月20日)は,次のとおり報じました.

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「熊本市の済生会熊本病院で先月、麻酔などに使い、薬事法で毒物に指定されている筋弛緩剤(きんしかんざい)を紛失していたことが20日、わかった。成人9人分の致死量にあたるという。

 市地域医療課などによると、紛失したのは筋弛緩剤「エスラックス」の50ミリグラム入りの瓶3本。鍵つきの保管庫に入れていたが、昨年12月7日夕に看護師が残数を確認したところ、午前中の時点から3本足りなかったという。同9日に病院から市に報告があり、病院は警察に被害届も出したという。」


全国各地の病院で,筋弛緩剤エスラックスの紛失が報告されています.

佐賀大学医学部付属病院で平成22年12月(但し公表は平成23年6月)に1本
独立行政法人国立病院機構名古屋医療センターで平成23年1月に10本
独立行政法人国立病院機構千葉医療センターで平成23年9月に1本
愛知厚生連海南病院で平成23年9月に1本
有田市立病院で平成23年9月に10本
浜松医療センターで平成23年9月に1本
NTT東日本札幌病院で平成23年12月に2本
社会福祉法人恩賜財団済生会熊本病院で平成23年12月に3本

病院の薬の管理はずさんで,毒薬に指定されているエスラックスについてもきちんとした管理がなされていないように思います.
病院は,他院の紛失事故から学んで,エスラックスの管理を厳しく点検することはできないものなのでしょうか?

【追記】

西日本新聞「「誤廃棄の可能性大」 筋弛緩剤紛失で済生会熊本病院 (2012年1月22日)は,次のとおり報じました.

全身麻酔に使う毒薬、筋弛緩(しかん)剤を紛失した済生会熊本病院20+ 件(熊本市近見5丁目)が21日、記者会見を開き、副島秀久院長は「盗難ではなく、誤って捨ててしまった可能性が高い」と説明した。

 副島院長などによると、昨年12月7日夕、看護師が手術室内の保冷庫にあった筋弛緩剤「エスラックス」50ミリグラム瓶の在庫が3本足りないことに気付いた。手術室に出入りした延べ163人に対する聞き取りや、県警、熊本市保健所の立ち入り調査の結果、外部からの侵入や病院職員らによる持ち出しの可能性は極めて低いとされた。同日は手術の中止もあったことから、一度取り出したものを誤って捨てた可能性が高いと判断したという。

 病院は筋弛緩剤の管理方法に問題があったことを認め、(1)専用の保冷庫を購入し、施錠をして保管する(2)出し入れを明確にするため、在庫管理表の書式を変更する(3)使用済みの瓶の数、廃棄者も確認する-などの見直しを行った。


このように具体的な再発防止策を示していただけると安心できます.

谷直樹
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by medical-law | 2012-01-21 02:06 | 医療