弁護士谷直樹/医療事件のみを取り扱う法律事務所のブログ

瀬尾記念病院,病室以外の患者入院を常態的に行っていたとして静岡県から指導を受ける

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静岡新聞「病室以外に患者入院で改善指導 沼津の整形外科病院」(2012年1月25日)は次のとおり報じています.

医療法人社団慶信会が運営する沼津市上土町の瀬尾記念病院が、病室以外の患者入院を常態的に行っていたとして、県から医療法に基づく指導を受けていたことが、24日までの取材で分かった。同法人によると、許可を受けた60床以上のベッドを置いていたとして、診療報酬上の問題で厚労省東海北陸厚生局の指導も受けたという。
 県や同法人によると、同病院は病室ではない個室の処置室など計7部屋12床に患者を繰り返し入院させていた。同法人理事長は「手術予定の患者のベッド確保や救急患者、緊急入院の受け入れなどで目的外で使用してきた」と認め、「診療報酬の返還にも適切に対処したい」としている。
 病室外の患者入院は、県東部保健所による昨年11月末の立ち入り検査で発覚した。県医務課は病院関係者からの情報提供などを元に調べたとして、「普段は書類上のチェックが中心。ベッドを隠すなどの病院側の隠ぺいなどもあって見抜けなかった」などと説明する。今月19日までに改善状況を確認したという。
 理事長は、同病院の今後の運営について、4月から病院体制を変更して無床の診療所とする方針を示した。2次救急医療など同病院の機能は、同法人が沼津市下香貫で運営する瀬尾記念慶友病院(66床)に統合する考え。
 同法人のホームページによると、瀬尾記念病院はリハビリ科を併設した整形外科の専門病院。昭和30年代に開院した医院を前身に、1996年に現地に移転新築した。常勤医師は5人。入院基本料を算定する看護師比率は13対1を掲げる。」


医療法施行規則(昭和二十三年十一月五日厚生省令第五十号)第十条は,次のとおり定めています.

「病院、診療所又は助産所の管理者は、患者、妊婦、産婦又はじよく婦を入院させ、又は入所させるに当たり、次の各号に掲げる事項を遵守しなければならない。ただし、第一号から第三号までに掲げる事項については、臨時応急のため入院させ、又は入所させるときは、この限りでない。
一  病室又は妊婦、産婦若しくはじよく婦を入所させる室(以下「入所室」という。)には定員を超えて患者、妊婦、産婦又はじよく婦を入院させ、又は入所させないこと。
二  病室又は入所室でない場所に患者、妊婦、産婦又はじよく婦を入院させ、又は入所させないこと。 (以下略)」

したがって,許可を受けた60床以上のベッドがあっても,それが臨時応急のためであれば例外的に許されるのですが,処置室など計7部屋12床に患者を繰り返し入院させていたとすると,医療法施行規則第十条に反することになります.

谷直樹
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by medical-law | 2012-01-25 19:56 | 医療