弁護士谷直樹/医療事件のみを取り扱う法律事務所のブログ

公益社団法人岐阜病院,利尿剤を薄めずに高齢者に点滴したミスで遺族に謝罪

b0206085_9115277.jpg◆ 事故の経緯

患者(女性)は統合失調症などで2004年から公益社団法人岐阜病院に入院しました.
患者は,2011年末に肺炎にかかり,2012年1月に胸水がたまり呼吸困難になりました.

医師は,2012年1月11日,体から水を抜くために,利尿剤点滴を決定しました.
患者が82歳と高齢のため,利尿が急激に進んで体に負担をかけないよう,体液を補う点滴液に利尿剤を薄めて徐々に点滴することを看護師に指示しました.

ところが,看護師は,誤って利尿剤を薄めずに点滴しました.
患者は,点滴後に血圧が低下し,約2時間後に死亡しました.

◆ 事故後の対応

患者死亡の翌日,別の看護師がカルテに記載された医師の指示と看護師の処置が異なることに気付きました.
病院は遺族に経緯を説明し,謝罪しました.

「鈴木院長は取材に「点滴ミスが死の直接原因なのかは不明だが、指示通りにやれなかったことはミス。高齢患者で利尿が進み、血圧が低下した可能性は否定できない」とし「今後は看護師の技能向上に努めたい」と話した。

遺族は「病院から同様の説明があり、納得している」としている。」
 

岐阜新聞「点滴ミス後に患者死亡 岐阜病院が遺族に謝罪」(2012年2月1日)ご参照

◆ 感想

医療過誤に基づく損害賠償は,①過失,②損害,③過失と損害との間の相当因果関係が要件ですが,実際に医療現場でミスがあった場合,ミスが死亡の直接の原因になったかどうかの推論,議論はさておいて,まず実際にあった事実(医師の指示,看護師がその指示通り実行しなかったこと,血圧低下,死亡)について説明し,謝罪するのが,必要なことです.
看護師のミスはとても残念ですが,その後の岐阜病院の対応は適切です.

谷直樹
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by medical-law | 2012-02-02 02:32 | 医療事故・医療裁判