弁護士谷直樹/医療事件のみを取り扱う法律事務所のブログ

京都新聞の調査で,京都市の「市医」への公金支出問題が浮上

b0206085_12135042.jpg京都新聞は,自社の調査に基づき,2012年2月7日,京都市が感染症対策のために委嘱している開業医「市医」の親睦団体「京都市市医会」に,業務実態が伴わないのに,謝礼名目で約4400万円を支出している疑いがあることを報じました.

◆ 「緊急対応ゼロで謝礼4400万円 京都市の委嘱医師

「京都市が感染症対策のために委嘱した開業医「市医」に対し、緊急時の対応などへの謝礼名目で2011年度までの10年間に計約4400万円を支出しながら、緊急対応が一度もないことが、京都新聞社の調査で分かった。」

◆ 「謝礼、医師に直接渡さず

「市は、集団予防接種の報酬を市医指定の金融機関へ振り込む一方、緊急対応名目の謝礼は市医に直接渡していないことが、京都新聞社の調査で分かった。」


◆ 「ワイン講座、旅行に支出

「市医でつくる親睦団体「京都市市医会」が、懇親会や、感染症とは無関係な文化講演などの費用に、謝礼を原資とした会費を充てていたことが、京都新聞社の調査で分かった。」

「京都・市民・オンブズパースン委員会」の折田泰宏共同代表(弁護士)の以下のコメントを紹介しています.

「公金の不透明な支出は問題。市医謝礼はそもそも対価性を伴っておらず、支出の流れと使途をみれば、親睦団体の運営費に充てられることを目的とした違法なものだ。」

つまり,京都新聞の調査によると,京都市は,緊急対応の実態がないのに,緊急対応の謝礼を「京都市市医会」に振り込み,「京都市市医会」は,それを会費として,懇親会やワイン講座や旅行にあてていたという疑いがあるようなのです.

【追記】

msn産経「「市医」報償費を廃止 予防接種報酬と一本化へ 京都市」(2012年3月30日)は,次のとおり報じています.

「京都市が感染症対策で開業医70人に委嘱している「市医」をめぐる問題で、市は、集団予防接種の従事報酬とは別に支出してきた報償費を4月から廃止する方針を決めた。従事報酬を現行の1万9400円から政令指定都市の平均額にあたる2万2千円に引き上げ、支払いを一本化する。

 市は市医に対し、予防接種ごとの従事報酬とは別に、予防接種の医師が不足した場合の応援などの職務への謝礼として1人あたり年間5万6800円の報償費を支払ってきた。市民団体が2月、「違法な公金支出だ」として約400万円を市に返還させるよう求める住民監査を請求。今月23日付で「業務実態がない市医を特定していない」として却下されていた。

 市は「適正な支出であるという認識は変わらないが、支払いが2種類になっていると市民に誤解を与える可能性がある。より分かりやすい形でやるべきだと判断した」としている。」


谷直樹
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by medical-law | 2012-02-08 02:48 | 医療