弁護士谷直樹/医療事件のみを取り扱う法律事務所のブログ

日弁連会長談話,東京電力は原子力損害賠償紛争解決センターによる和解仲介案の尊重義務を果たせ

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日本弁護士連合会(日弁連)は,2012年2月15日,「東京電力に対し原子力損害賠償紛争解決センターによる和解仲介案の尊重義務を果たすことを求める会長談話」を発表しました.

国から,総額約1兆6000億円が損害賠償資金として東京電力に交付されます.
東京電力は,その見返りとして,原子力損害賠償紛争解決センターの和解仲介案を尊重することを約束しています.
ところが,実際には,東京電力は和解仲介案を全く尊重していません.
東京電力の,賠償資金をもらいながら賠償金を出し渋る,という対応により,原子力損害賠償紛争解決センターは,その役割を果たせない状態になっています.

上記会長談話は,次のとおり指摘しています.

「福島県大熊町から東京都内に避難している男性が原子力損害賠償紛争解決センター(以下「センター」という。)に昨年9月1日に申立てを行った第1号事件について、昨年12月27日にセンターの仲介委員が示していた和解仲介案に対して、東京電力は様々な条件を付けるなどして、今日に至るまでなお和解仲介案を受諾せず、仲介委員が和解仲介案を提示してから実に50日以上もの期間が徒過し、この間申立人である被害者は全く救済されていない。他の事案においても、東京電力は、財物価値喪失等や中間指針に具体的記載のない損害の賠償請求について和解協議に消極的、かつ、事件全般につき認否留保が多く、そのために和解解決が進んでいないと指摘されている。

特別事業計画は、政府及び国民との約束であり、この度の変更により更に多額の国費が東京電力に対し投入される以上、東京電力には、「和解仲介案の尊重」を始めとした「5つのお約束」を誠実に遵守する義務がある。

当連合会は、改めて、東京電力に対して、積極的に和解協議に応じるとともに、センターの仲介委員が和解仲介案を示した場合には、原則としてこれを尊重し、迅速かつ誠実に和解仲介案を履行するなど、特別事業計画に記載された事項を確実に遵守し、一刻も早い被害者の救済を図るために、最善の努力を行うことを強く求める。」


谷直樹
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by medical-law | 2012-02-18 08:34 | 弁護士会