弁護士谷直樹/医療事件のみを取り扱う法律事務所のブログ

薬害イレッサ,厚労省が和解案に否定的な見解を学会に発表させた裏側が次第に明らかになりつつあります

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1年以上前の話ですが,イレッサ訴訟1審裁判所の和解勧告(平成23年1月7日)に対し,日本臨床腫瘍学会,日本血液学会,日本肺癌学会と日本学術会議などが否定的な見解を発表して,世論を誘導し,国は和解を拒否しました.

後に,裏で,厚労省が見解の下書きをしていたなどの事実が判明し,間杉純医薬食品局長が訓告処分を受け,平成23年8月15日辞職しました.

しかし,その働きかけの具体的な事実は,闇に埋もれたままでした.

薬害オンブズパースン会議は,情報公開を請求し,公開されたのはごく一部でしたので,情報公開を求める訴訟を提訴し,国は情報公開訴訟で理由をつけにくいものについて,メールなど一部を開示しました.

東京新聞「学会に「和解案なら新薬承認困難」イレッサ訴訟で厚労省」(2012年2月21日)は,次のとおり報じています.

(厚労省が学会に送ったメールは)「裁判所の所見に従うならば,あらゆる未知の危険まで明らかにならないと抗がん剤のような新薬の承認ができなくなる」と強調。添付文書にある副作用に対してまで,注意が足りない,その責任は国であると言われるならば,今後リスクのある医薬品の承認はますます困難」とし,和解勧告の内容で合意すれば,薬事行政に支障が出ると読める内容だ。」

イレッサ薬害の責任を認めると,新薬承認に支障がでる,という飛躍した論理は,厚労省が学会を煽って言わせたものだったのです.

谷直樹
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by medical-law | 2012-02-21 15:07 | 医療事故・医療裁判