弁護士谷直樹/医療事件のみを取り扱う法律事務所のブログ

西日本新聞社説,「医療版事故調 命守る体制確立するには」

西日本新聞社説,「医療版事故調 命守る体制確立するには医療版事故調については,政権交代で頓挫しまb0206085_8445117.jpgしたが,仕切り直しの上,論議が再開し行われ,実現の機運が高まっています.

西日本新聞社説,「医療版事故調 命守る体制確立するには」(2012年2月29日)は,次のとおり述べています.

「医療版事故調をめぐっては、自公政権下の2008年6月、厚労省が第三者機関を設置する法律の大綱案をまとめたが、医療界の反発や政権交代の影響を受け棚上げ状態になっていた。国民の命に関わる課題が3年間も宙に浮いたままになっていたことは、残念でならない。今度こそ話を前に進めてもらいたい。

 08年の厚労省法律大綱案とは、どのような内容だったのか。国に第三者による中立的な事故調査委員会を創設する▽医師法21条で義務付けた警察への「異状死」届け出は原則、免除する▽標準的な医療行為から著しく逸脱している場合は警察に通知する-が大きな柱だった。

 これに対し、当時野党だった民主党は医療機関自身による院内調査を原則とする対案を公表した。そのうえで、医師法21条を削除する一方、結果に不満がある被害者側は都道府県に設ける第三者機関に調査を依頼できるとした。

 ここで議論が足踏みした背景には、帝王切開の妊婦が死亡して医師の刑事責任が問われた福島県立大野病院事件の無罪判決(福島地裁、08年)もある。執刀医が無罪になったからといって何も問題がなかったわけではないはずなのに、当時の厚労省担当者は「正面から取り組む機運がうせてしまった」と振り返る。

 厚労省は今回の検討部会で大綱案と民主党案を土台に協議を進める方針だが、省内からは「振り出しに戻ったも同然で、方向性は全く見えない」(幹部)との声も漏れてくる。与野党対立が続く国会を考えても、先行きは不透明だ。

 日本医師会は昨年6月、院内調査の原則を柱とする提言をまとめた。事故被害者の遺族などは、第三者による医療版事故調の必要性を強く訴えている。

 いずれにせよ、事故の背後にある構造的な問題点に迫り、それを組織や社会が共有しなければ、事故の教訓は生かされない。それはJR西日本の尼崎脱線事故を引き合いに出すまでもなかろう。

 そのためには、個人の刑事責任を問うこととは別に、客観的に医療事故の原因を究明する体制を整備することが不可欠だ。国民の命を守るという視点を基本に据え、建設的な論議を期待したい。」


医療版事故調は,刑事責任と絡めることなく,本来の事故原因の解明と再発防止の目的から検討していただきたいと思います.

谷直樹
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by medical-law | 2012-03-01 00:50 | 医療事故・医療裁判