弁護士谷直樹/医療事件のみを取り扱う法律事務所のブログ

岡山大学病院でも,患者情報が入ったUSBメモリー紛失

b0206085_8565096.jpg◆ 岡山大学病院のUSBメモリー紛失事故

岡山大学病院の医師は,2012年2月18日,学会の発表資料の作成のため,患者278人分の個人情報をデータをUSBメモリーに記録し,ズボンのポケットに入れて自宅に持ち帰りました.
翌日出勤した際,紛失に気付き,コンビニなど立ち寄り先も探しましたが見つからず,2月21日に岡山西署に遺失届を出しました.
USBメモリーには,医師が勤める内科系診療科を受診した患者の氏名,年齢,疾患名,服用薬,CT検査のデータなど,1人につき最大90項目の情報が記録されていました.

山陽新聞「入通院患者278人分の情報紛失 岡山大病院、男性医師持ち出す」(2012年2月29日)ご参照

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◆ 感想

相変わらず,全国の病院で,同様の個人情報紛失事故が続いています.
岡山大学病院では,患者のデータを院外に持ち出すためには氏名や生年月日を削除しなくてはいけないという規定がありましたが,守られていませんでした.
このようなことが続いているのは,日本の病院の個人情報管理に問題があることを示唆していると思います.

米国では,Health Insurance Portability and Accountability Actがあり,最高150万ドルの民事制裁金が課せられます.
個人情報の紛失による実害発生が確認されたか否かを問わず,制裁金や補償金を負担するシステムのほうが,緊張感をもって個人情報を取り扱っていただけるように思います.

また,暗号化した状態でなければコピーできないようにするなど,根本的な再発防止策が必要と思います.

ちなみに,報道によると,昨年6月以降,USBメモリーや外付けハードディスクの紛失事故は,以下の施設で起きています.

2011年 6月
慶應義塾大学病院スポーツ医学総合センター
北海道大学病院

7月
医療法人 柏堤会(財団) 戸塚共立第1病院
藤田保健衛生大学病院
昭和大学歯科病院

8月
筑波メディカルセンター病院

9月
千葉県精神科医療センター
鹿児島大学病院

10月
JA茨城県厚生連茨城西南医療センター病院
独立行政法人国立病院機構三重中央医療センター
独立行政法人労働者健康福祉機構関東労災病院

11月
独立行政法人国立病院機構金沢医療センター

2012年1月
医療法人聖愛会
独立行政法人国立病院機構千葉医療センター
独立行政法人国立病院機構宇多野病院

2012年2月
京都府立洛南病院(ただし一時紛失)
岡山大学病院

谷直樹
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by medical-law | 2012-03-01 02:28 | 医療