弁護士谷直樹/医療事件のみを取り扱う法律事務所のブログ

佐世保市立総合病院,手術中に大量出血し止血できず死亡した事案,調停成立

b0206085_8424252.jpg毎日新聞「医療事故:佐世保市立総合病院、遺族に賠償金 /長崎」(2012年2月18日)は,次のとおり報じました.

「佐世保市立総合病院は17日、膀胱(ぼうこう)全摘出手術中に大量出血し死亡した男性(74)の遺族との調停がこのほど成立し、損害賠償金330万円を支払ったことを明らかにした。

 同病院によると、男性は膀胱がんのため10年4月に手術を受けたが、手術中に大量出血し、泌尿器科の40代男性主治医らが処置したが止血できず、多臓器不全で死亡した。遺族が福岡簡裁に調停を申し立て、昨年12月に調停が成立した。「手術は適正に行われたが、結果的に止血できなかった」(病院事務局)という。江口勝美院長は「亡くなったことについて、ご家族に深くおわび申し上げます」とのコメントを出した。」


弁護士への相談のなかでも,手術中に大量出血し止血できず死亡した事案というのは,結構多く,手術適応,説明,手技,止血措置などが問題になります.
説明義務違反,注意義務違反と結果との因果関係を認定できる事案では,年金等の逸失利益,死亡慰謝料,葬儀費用などが損害となります.
他方,説明義務違反,注意義務違反,因果関係を認定できない事案では,損害賠償は認められません.
しかし,手術中に大量出血し止血できず死亡という事態について,なんらの義務違反も認定できないというのでは,ご遺族の納得は得にくいでしょう.
本件は,当事者が調停を選択し,中間的な解決を指向したものと思われます.

谷直樹
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by medical-law | 2012-12-19 09:57 | 医療事故・医療裁判