弁護士谷直樹/医療事件のみを取り扱う法律事務所のブログ

宮城県立循環器・呼吸器病センターの看護師,臨床工学技士,医師が書類送検される

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msn産経「看護師ら3人書類送検 男性患者死亡で宮城県警」(2012年3月8日)は次のとおり報じています.

「宮城県立循環器・呼吸器病センター(栗原市)に心筋梗塞で入院していた同市の無職の男性患者=当時(82)=が昨年7月に死亡した事故で、県警捜査1課は8日、業務上過失致死の疑いで、患者を担当していた女性看護師(42)と男性臨床工学技士(48)を、医師法違反の疑いで男性主治医(33)をそれぞれ書類送検した。

 看護師の送検容疑は昨年7月24日、心肺維持装置の警報音に気付いていたにもかかわらず、装置の電源プラグが外れていることを確認せず放置し、臨床工学技士は、装置の安全管理責任者として、装置の不具合への対応について医師や看護師への研修を行わず、知識がないまま医療行為に使用させ、患者を死亡させたとしている。主治医の送検容疑は装置が停止したために死亡した事実を知りながら、24時間以内に警察へ届け出なかったとしている。」


刑事事件として書類送検されましたが,検察は,起訴については諸般の事情を総合考慮して決めます.すみやかに遺族との示談が成立し,賠償されると,不起訴に有利な事情となります.
本件で,3人ともが起訴される可能性は低いでしょう.

【追記】

河北新報「心肺補助装置、研修怠る 循環器センター患者死亡事故」(2012年3月9日)は,次のとおり報じています.

「宮城県立循環器・呼吸器病センターで2011年7月に起きた医療事故は、センターのずさんな管理体制が、県警の捜査で明らかになった。県警によると、心肺補助装置の使用方法を知っていたスタッフは誰もいなかったという。捜査関係者は「人命を預かる施設として認識が甘い」と指摘する。
 県警によると、書類送検された臨床工学技士男性(48)は、07年から医療機器の安全管理責任者を務めているという。責任者は、新しい医療機器を導入した際、スタッフに研修を実施することが求められている。
 捜査関係者によると、技士は当初、センターの看護師ら向けの研修を開催していたが、参加率が低いことなどから次第に実施しなくなったという。10年10月に導入した心肺補助装置の研修は、記録上開催したことになっていたが、実際は一度も開かれていなかった。
 県警の調べに技士は「やる気がなかった」と話しているという。結局、装置の使い方を理解しているセンターの医師と看護師はいなかった。
 異状死の届けをめぐっても、県警はセンターや県立病院機構の対応を疑問視する。
 捜査関係者によると、電源プラグが外れていたことは別の看護師が確認していたという。電源が失われ、装置が止まったにもかかわらず、主治医(33)は病死の死亡診断書を作成。一方で、センターは事故の翌日、機構へ医療事故と連絡していた。
 県警は事故直後の7月29日にセンターと機構を捜索。ことし2月15日には、センターの臨床工学室などを再捜索した。
 機構の菅村和夫理事長は「事故を重く受け止め、再発防止に万全を期したい」との談話を出した。」



河北新報「看護師ら3人不起訴 宮城県循環器センター患者死亡事故」(2012年9月20日)は,次のとおり報じました.
 
「宮城県立循環器・呼吸器病センター(宮城県栗原市)で昨年7月、集中治療室で使っていた心肺補助装置の電源プラグがコンセントから抜け、入院中の栗原市の無職男性=当時(82)=が死亡した事故で、仙台地検は19日までに、業務上過失致死容疑などで書類送検された女性看護師(43)ら3人を不起訴処分とした。
 ほかに不起訴処分としたのは、当時、装置の安全管理責任者だった男性臨床工学技士(49)と、男性主治医(34)。地検は「処分の理由は答えられない」としている。
 男性は昨年7月24日午後9時すぎ、急性心筋梗塞による心原性ショックで死亡。宮城県警は3月、3人を書類送検した。
 送検容疑は、看護師は昨年7月24日午後5時ごろ~7時20分ごろ、装置のアラーム音に気付くなどしたのに、ディスプレーの表示だけで異常はないと判断し、電源プラグを確認しなかった疑い。
 技士は2010年10月に装置を導入して以降、メーカーが変わって電源が切れたときの復旧方法が異なったのに、操作などを周知徹底する研修などを怠った疑い。
 主治医は、昨年7月24日に男性の死亡診断書を作成した際、看護師らから装置の停止が死亡原因となった可能性のあることを報告されながら、築館署に24時間以内に届けなかった疑い。
 県警の捜査関係者によると、看護師と技士は容疑を認め、主治医は「異状死との認識がなかった」と否認したという。」
機能維持装置の電源プラグが抜けて停止し、入院中の当時82歳の男性が死亡した事故で、仙台地検は業務上過失致死容疑や医師法違反容疑で書類送検されていた看護師2人と医師1人を不起訴処分とした。」



谷直樹
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by medical-law | 2012-03-09 04:26 | 医療事故・医療裁判