弁護士谷直樹/医療事件のみを取り扱う法律事務所のブログ

日弁連,「生活保護における老齢加算廃止に関する最高裁判決に関する会長談話」

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日弁連は,2012年3月8日,最高裁第三小法廷平成24年2月28日判決を批判する会長談話を発表しました.

生活保護における老齢加算廃止に関する最高裁判決に関する会長談話」は,次のとおり述べています.

「本判決は、第一に、生活保護基準以下の生活を強いられている国民(とりわけ高齢者)が存在する事実に対して、この貧困を解決するのではなく、この貧困状態に合わせて生活保護基準を切り下げ、格差と貧困を拡大する政府の不当な政策を是認したものであり、第二に、老齢加算が果たしてきた重要な役割を何ら理解することなく、老齢加算が廃止されることで高齢保護受給者の生存権を侵害している実態から目を背け、行政の違憲・違法な措置を追認した不当なものである。

人権の最後の砦となるべき最高裁判所が、このような判決を下すことは、その職責を放棄したものといわざるを得ず、深い悲しみと憤りを禁じ得ない。

当連合会は、2006年の第49回人権擁護大会において、貧困の連鎖を断ち切り、全ての人の尊厳に値する生存を実現するために生活保護の切下げを止めることを求め、また、2008年11月18日付け「生活保護法改正要綱案」では、法改正に当たり民主的コントロールを受けないまま削減・廃止されてきた老齢加算及び母子加算を削減・廃止前の内容で復活させるべきであることを提言した。

当連合会は、厚生労働大臣においては、本判決に拘泥することなく、いまだ置き去りになっている高齢者の貧困対策の見地から、2009年12月に復活された母子加算と同様に老齢加算を速やかに復活させることを求める。」


谷直樹
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by medical-law | 2012-03-13 00:04 | 弁護士会