弁護士谷直樹/医療事件のみを取り扱う法律事務所のブログ

福岡大学病院,HBVキャリアに抗がん剤・ステロイド剤を投与し,劇症肝炎を発症した死亡事案で和解

b0206085_1422632.jpg読売新聞「B型肝炎死亡、福大病院責任認め6280万円支払い」(2012年3月13日)は,次のとおり報じています.

「2009年、福岡大学病院(福岡市)で抗がん剤投与後に劇症肝炎を発症して死亡したのは、病院側がB型肝炎ウイルスの増殖を防げなかったのが原因として、福岡市の女性(当時46歳)の遺族が同大に約7900万円の損害賠償を求めた訴訟は13日、福岡地裁(増田隆久裁判長)で和解した。遺族の代理人弁護士によると、病院側が死亡への責任を認めて謝罪し、和解金約6280万円を支払う内容という。

 訴状などによると、B型肝炎のキャリアー(未発症の持続感染者)だった女性は08年、乳がんの手術を受け、09年1月から抗がん剤とステロイド剤を投与された。その後劇症肝炎を発症するなどし、同5月に死亡した。」


HBV(B型肝炎ウイルス)キャリアに,抗がん剤・ステロイド剤を投与した場合,HBV の再活性化により致死的な重症肝炎が発症することは,よく知られています.そのため,HBV キャリアに抗がん剤・ステロイド剤を投与する場合には,ラミブジン(ゼフィックス)などを予防投与してHBV再活性化を防止します.
本件でも,当然,ラミブジン(ゼフィックス)などの予防投与が行われていた筈ですが,投与法などに不十分なところがあったのではないでしょうか.

谷直樹
ブログランキングに参加しています.下記バナーを1日1回クリックお願いします.7日間のクリック数合計が順位に反映します.

にほんブログ村 士業ブログ 弁護士へ
にほんブログ村
by medical-law | 2012-03-14 01:17 | 医療事故・医療裁判