弁護士谷直樹/医療事件のみを取り扱う法律事務所のブログ

東京地裁立川支部喫煙所で弁護人弁護士が判決前に裁判員と接触,検察庁が再発防止を要請

b0206085_2039611.jpg◆ 報道

NHK「弁護士が判決前に裁判員と接触」(2012年3月19日)は,次のとおり報じました.

「裁判員裁判の被告の弁護を担当していた東京の弁護士が、裁判員法に違反して裁判員と接触し、判決を決めるための評議の様子などについて聞いていたことが分かりました。
東京地方裁判所は、裁判員法に違反する重大な問題だとして、所属する弁護士会に対して処分も含めて対応を取るよう要請しました。

裁判員に接触していたのは、東京弁護士会に所属する畑江博司弁護士(59)です。
東京地方裁判所によりますと、畑江弁護士は、今月16日に東京地裁立川支部で懲役9年の判決が言い渡された事件の被告の弁護を担当していましたが、審理の期間中にこの裁判の裁判員に接触していたということです。

関係者によりますと、畑江弁護士は、裁判所の喫煙室で裁判員に話しかけ、評議でどの裁判員が積極的に発言しているかなどを尋ねたということです。
裁判員法では、裁判の公正さなどを保つため、判決が出るまで、裁判員に接触することが禁止されていますが、裁判所は、畑江弁護士が接触したことを認めて謝罪したことなどから、解任の手続きはとらず、判決は予定通り16日に言い渡されました。

これについて、裁判所は、法律に違反する行為で重大な問題だとして、畑江弁護士が所属する東京弁護士会に対し、19日夕方、処分も含めて対応を取るよう要請しました。
一方、東京地方検察庁立川支部は、事態を重く見て、裁判所に対して再発の防止に向けた対応を取るよう申し入れたということです。

畑江弁護士は、NHKの取材に対し、「喫煙室にタバコを吸いに行ったら裁判員がいたが、世間話をしただけだ」と話しています。

東京地方裁判所の岡田雄一所長は、「裁判員裁判の公正な運営を確保するうえで見過ごせない行為で、誠に遺憾だ」というコメントを出しました。
東京弁護士会の竹之内明会長は、「今後、事実関係を調査して、しかるべき措置をとるとともに、同様の事態が生じないよう周知・指導を徹底したい」とコメントしています。」


産経の報道では,「評議の雰囲気などについて裁判員に尋ねた」となっています.

◆ 感想

弁護士が法に反して評議の雰囲気などについて裁判員に尋ねたとすれば,厳しく指弾されるべきと思います.
世間話でも疑惑を招く以上許されることではありません.
さらに,弁護士がいまどき未だタバコ喫煙をしていることにも呆れました.弁護士は,依頼者に責任ある仕事を果たすために,自身の健康維持,健康管理に努めねばならないはずです.喫煙弁護士が卒煙すれば,頭脳明晰度が2割くらいはパワーアップし,高齢になっても元気に仕事ができる可能性が高まるでしょう.

東京地方検察庁立川支部が裁判所に対して再発の防止に向けた対応を取るよう申し入れたとのことですから,京地方裁判所立川支部は,再発防止のためにも,これを機会に,喫煙所を撤去し,敷地内禁煙にしたらいかがでしょうか.

喫煙した人の肺の中には汚れた空気が残っていますし,喫煙所で染みこんだ衣服,髪から有害物質が発散されます.そのため,喫煙所から戻った喫煙者による残留受動喫煙被害が生じます.
これを「サードハンドスモーク」(third hand smoke)と言います.
つまり,分煙では,受動喫煙被害を防止することはできないのです.

たばこの規制に関する世界保健機関枠組条約」(WHO Framework Convention on Tobacco Control)8条は,「締約国は、タバコの煙にさらされることが死亡、疾病および障害を引き起こすことが科学的証拠により明白に証明されている事を認識する。
 締約国は、屋内の職場、公共の輸送機関、屋内の公共の場所および適当な場合には他の公共の場所におけるタバコの煙にさらされることからの保護を定める効果的な措置を講ずる。」と定めています.

タバコ煙からの保護義務は、基本的人権と自由に基づいたものです.
国には,個人を受動喫煙から守る義務があり,裁判所も,国の機関ですから,本来,屋内完全禁煙,敷地内禁煙とすべきです.

谷直樹
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by medical-law | 2012-03-20 20:11 | タバコ