弁護士谷直樹/医療事件のみを取り扱う法律事務所のブログ

1千万人分ちかくのタミフル,リレンザの有効期限が切れるため,今年も,廃棄し,新規購入することに

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◆ 抗インフルエンザ薬の大量備蓄

国と都道府県は,新型インフルエンザ対策行動計画に基づき,6277万人分の抗インフルエンザ薬(タミフルとリレンザ)を備蓄しています.
毎年約1000万人分ちかくの抗インフルエンザ薬が,毎年有効期限切れのために廃棄され,代わりに毎年約1000万人分ちかくの抗インフルエンザ薬が購入されます.

 押谷仁・東北大大学院教授(ウイルス学)は,「日本には医療機関などに相当量の抗インフルエンザ薬が出回っており、これだけの備蓄が必要かという問題がある。2009年の新型インフルエンザパンデミックの際は、ワクチンは不足したものの、抗インフルエンザ薬が不足することはほとんどなかった。パンデミックが起きても発症者は人口の25%とみられ、国が言う人口の半数程度の備蓄が必要なのか、議論をしていくべきだ。」と述べています.

中日新聞「インフル薬迫る期限 63万人分、費用14億円 廃棄も」(2012年3月21日)ご参照
※ 63万人分14億円というのは,中部6県だけの数字です.

◆ タミフルの有効性の問題

ちなみに,国際的なコクラン共同計画によれば,タミフルの使用で,インフルエンザの症状が21時間ほど早く収まる効果は確認されたものの,合併症や入院を防ぐというデータは見つからなかった,とのことです.

コクラン共同計画,タミフルについて治療効果疑問,副作用は過小評価されていると報告」ご参照

◆ タミフルの危険性の問題

他方,「オセルタミビルと突然型死亡:2009A/H1N1インフルエンザの相対死亡率研究」によると,タミフル使用が,特に使用12時間以内の突然型死亡を誘発しうる,とのことです.突然型死亡の危険度(オッズ比)は5.9です.

オセルタミビル(タミフル)の害に関する新知見」ご参照

◆ 感想

要するに,合併症や入院を防ぐほどのエビデンスがなく,疫学研究の結果,特に使用12時間以内の突然型死亡を誘発しうることが報告されている薬を,毎年多量に購入し備蓄しているのです.
本当に備蓄が必要なのでしょうか.はなはだ疑問です.

谷直樹
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by medical-law | 2012-03-22 21:19 | 医療