弁護士谷直樹/医療事件のみを取り扱う法律事務所のブログ

旧倉敷森下病院が必要な検査を行わず投薬も不適切だったため死亡したと,医療法人と岡山県などが訴えられる

b0206085_19365290.jpg山陽新聞「遺族が賠償求め病院や県提訴 旧倉敷森下病院」(2012年3月30日)は次のとおり報じています.
 
「倉敷市の精神科病院・倉敷森下病院(2月に経営譲渡、改称)で2010年1月、肺炎で死亡した男性=当時(64)=の遺族が、医師が適切な治療を行わず、県が指導監督を怠ったことが死亡につながったとして、病院を経営していた医療法人や県などに1100万円の損害賠償を求めて29日、岡山地裁に提訴した。

 訴状によると、男性は当時の院長=11年9月に86歳で死亡=に精神疾患と診断され、09年11月から入院。肺炎を発症した男性に対し、胸部レントゲン撮影など必要な検査を行わず投薬も適切でなかった上、自院では肺炎の治療が難しいのに他院へ搬送しなかった、としている。

 県は07年ごろから同病院への監査体制を強化するなど、入院患者への不適切な処遇を把握していながら、精神保健福祉法に基づく改善命令によって入院制限措置を取る義務を怠った、としている。

 遺族は「発症後早い段階で、適切な治療や強い行政指導が行われていれば、死亡することはなかった」と主張している。

 倉敷森下病院を経営していた医療法人は「コメントできない」、県は「訴状を見ておらずコメントできない」としている。」


倉敷森下病院は,カルテが不備であったり,人権侵害と思われる行為が行われていたと指摘された病院です.
カルテが不備なことなどから患者側の立証のハードルは高いでしょうが,この病院ならさもありなんと思う経過ですし,改善命令がもっと早くに行われていたら,とも思います.立証に期待します.

また,第2,第3の倉敷森下病院をださないために,行政には,このような疑いのある病院への監督と早期の指導をお願いしたい,と思います.

谷直樹
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by medical-law | 2012-03-30 09:56 | 医療事故・医療裁判