弁護士谷直樹/医療事件のみを取り扱う法律事務所のブログ

補助金適正化法違反で服役した社会福祉法人理事長が,検察が関係者の証言を捏造したと,再審請求

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社会福祉法人の理事長が,法人を設立する際認可申請に必要な貯金残高証明書を偽造して県に提出したとして,2007年に懲役1年4月罰金50万円の刑に処せられましたが,検察が関係者の証言を捏造したもので,自分は無実であるとして,再審請求を行ったことが報じられています.

毎日新聞「再審請求:宮崎の福祉法人理事長 補助金不正受給で実刑」(2012年4月2日)は,次のとおり報じています.

宮崎県延岡市の福祉施設建設を巡り、県の補助金を不正に受け取ったとして補助金適正化法違反罪で実刑判決が確定、服役した同市の社会福祉法人「真隆会」理事長の医師、田中英隆さん(60)が2日、宮崎地裁に再審を請求した。弁護側は「検察が関係者の証言を捏造(ねつぞう)した。自白偏重の典型的な裁判だ」としている。

 判決によると、田中さんは98年に真隆会を設立する際、認可申請に必要な貯金残高証明書を偽造して県に提出。00年には福祉施設を建設する際、工事代金を水増しして県の補助金約1億6000万円を不正受給したとして宮崎地裁は05年に懲役1年4月、罰金50万円を言い渡した。07年2月に最高裁が上告を棄却し確定した。

 宮崎地裁での公判中、田中さんは「担当弁護士から『罪を認めないと釈放されない』と迫られた」として起訴内容を一転否認。以来、無罪を主張しており、弁護団は新たに当時の延岡市への提出書類など32点を新証拠として提出した。

 団長の秋山賢三弁護士は「当時の田中さんには十分な資力があり、証明書偽造の事実はない。工事代金の水増しも検察が関係者の証言を捏造した。自白偏重の典型的な裁判だ」と話した。

 宮崎地検は「再審請求の通知は受け取ったが、コメントはできない」と話している。【中村清雅】」


真隆会事件と言えば,前理事長が,2007年に,実刑が確定した創設者の元理事長に,国連に働きかけ無罪にするなどと述べ大金を振り込ませた疑いがある,と報道されていたことを思い出します.
創設者の元理事長=現理事長の無罪への思いは,強かったのでしょう.

秋山賢三先生は,元裁判官で,再審の重い扉を開けてきた弁護士ですから,本件も徹底的に調べて再審請求に持ち込んだものと思います.

最近,再審決定の報道が相次いでいますが,警察・検察の自白偏重のみならず,自白偏重(自白を翻しても,捜査段階の自白調書を根拠に有罪とする)の裁判所の姿勢にも問題があります.
また,担当弁護士から保釈のため罪を認めるように迫られたというのが事実であれば,その弁護士人弁護士の責任は重いものと言わざるを得ません.

谷直樹
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by medical-law | 2012-04-03 01:38 | 司法