弁護士谷直樹/医療事件のみを取り扱う法律事務所のブログ

市立室蘭総合病院で筋弛緩剤エスラックス紛失

b0206085_1745326.jpgまた,筋弛緩剤エスラックスの紛失が報道されています.

室蘭民報「市立室蘭病院の筋弛緩剤紛失問題、窃盗との両面で捜査」(2012年4月7日)は,次のとおり報じています.

「市立室蘭総合病院(東海林哲郎院長)が薬事法で毒薬指定されている筋弛緩(しかん)剤「エスラックス」50ミリグラム1本を紛失した問題で、室蘭署は6日、同院から提出された被害届を受理。紛失と窃盗の両面で捜査を開始した。紛失した量は成人3人分の致死量になる。

 同病院によると、薬剤は通常、手術室内の保管庫(冷蔵庫)に40本を常備。一日10本前後、全身麻酔などに使用している。

 薬剤の保管は薬事法に基づき施錠が義務付けられ、日中は担当看護課長が鍵を所持。夜間は鍵保管庫に収納し、必要に応じて貸し出す。同課長が毎夕、在庫数を確認し残数をコンピューター上で管理、翌日午前に薬局から補充している。

 手術室は自動扉で施錠されていない。日中は担当医のほか、看護師24人の出入りがあるものの、夜間は緊急の手術などを除き無人が多いという。

 保管庫にあった薬剤は27日午後4時20分までに8本を使用、3本が使用中だった。同課長が通常通り同日の在庫を確認したところ、使用した以外に1本が足りないことに気づいた。

 関係者で廃棄物や手術室周辺、院内を探したが見つからず、28日に室蘭保健所に報告。29日に室蘭署に通報し、院内事故などの対策にあたる同院医療安全管理室スタッフと調査を進め、今月6日に同薬剤(1056円)の被害届を提出した。

 同病院によると「一般の人が侵入することは難しい」とみている。同署は紛失と窃盗の両面で捜査している。

 同院事業管理者は「市民の命を守る立場でありながら、このような事件の発生は誠に遺憾。心からお詫び申し上げます。今後一層、管理を徹底し再発の防止に努めます」とコメントした。今後の対策としてチェック体制の強化や、新たな防犯カメラの設置を検討しているという。」


全国各地の病院で,筋弛緩剤エスラックスの紛失が報道されています.

佐賀大学医学部付属病院で平成22年12月(但し公表は平成23年6月)に1本
独立行政法人国立病院機構名古屋医療センターで平成23年1月に10本
独立行政法人国立病院機構千葉医療センターで平成23年9月に1本
愛知厚生連海南病院で平成23年9月に1本
有田市立病院で平成23年9月に10本
浜松医療センターで平成23年9月に1本
NTT東日本札幌病院で平成23年12月に2本
社会福祉法人恩賜財団済生会熊本病院で平成23年12月に3本
市立室蘭総合病院で平成24年3月に1本

他山之石 可以攻玉
自院で紛失・盗難事故が起きて,はじめて管理体制を強化するのではなく,他院での紛失・盗難事故報道を受けて管理体制を強化するのが本当のリスク管理と思います.

谷直樹
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by medical-law | 2012-04-07 15:15 | 医療