弁護士谷直樹/医療事件のみを取り扱う法律事務所のブログ

日本消費者連盟とワクチントーク全国,人権侵害の悪法「新型インフルエンザ特措法」に反対を!

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日本消費者連盟とワクチントーク全国は2012年4月6日,新型インフル特措法案の衆院可決に対する抗議と参議院での否決を求める緊急声明を発表しました.

緊急声明「新型インフル特措法案の衆院可決に対する抗議と参議院で否決を求める緊急声明」は,次のとおり述べています.

「日本消費者連盟とワクチントーク全国は、この法案についての意見募集(新型インフルエンザ対策のための法制のたたき台への意見)を2012年1月31日に提出しています。そのなかで、新型インフルエンザ行動計画について、現状の対策すら過剰であり、これ以上の改訂は不要、むしろ感染症を危機管理とする思想そのものから見直す必要があるとの意見をだしました。また、「危機想定」のもとでの過剰な規制や人権侵害を行わない対策こそ採るべきであること、莫大な公費負担による効果のないワクチンやタミフルの備蓄は中止すべきであることも提言しました。残念ながら、それらの意見は全く無視されました。

日本の2009年の新型インフルエンザ騒動への対応は、世界の専門家の間で無意味だとされていた”水際作戦”を強行し、冷静な議論を抑制し、意味のない停留措置で人権侵害を引き起こしました。医療現場の混乱や莫大な公費を投じた輸入ワクチンの大量余剰など、多くの問題を残しました。そのような、2009年の新型インフルエンザ対策に対する十分な検証と反省がなされないまま、見当はずれの対策と人権侵害のおそれのある本法律の制定は全くナンセンスとしかいいようがありません。

すでに、政府は平成23年度第4次補正予算で91億円ものプレパンデミックインフルエンザワクチンや抗インフルエンザ薬の備蓄を決め、平成24年度の予算としては、新型インフルエンザ対策費として、149億円もの対策費が計上されています。法案の成立後、平成25年度中に、全国民に行き渡る量のワクチンを製造できる体制の確立を目指すことにしているとされています。インフルエンザワクチンが社会防衛としての感染症対策に無効であることはわが国の歴史の示すところであり、個人の重症化予防効果についてすら疑問があります。プレパンデミックワクチンの有効性や副作用についての情報もなく、抗インフルエンザ薬の副作用や新型インフルエンザに対する有効性も明らかといえない状況で、ワクチン等の支出が決められていることには疑問があります。

新型インフルエンザという感染症に対して、検疫のための病院・宿泊施設等の強制使用(29条5項)、臨時医療施設開設のための土地の強制使用(49条2項)、特定物資の収用・保管命令(55条2項及び3項)、医療関係者に対する医療等を行うべきことの指示(31条3項)、指定公共機関に対する総合調整に基づく措置の実施の指示(33条1項)、多数の者が利用する施設の使用制限等の指示(45条3項)、緊急物資等の運送・配送の指示(54条3項)という強制力や強い拘束力を伴う広汎な人権制限が定められていますが、これらは、テロや戦争などの攻撃と同様の侵害事象としてとらえており、人権制限は過剰としかいいようがありません。また、有効性に疑問のあるワクチン等での対策も公費の無駄遣いとなると考えられます。

以上より、特定非営利活動法人日本消費者連盟とワクチントーク全国は、本法案が衆議院で可決されたことに、強く抗議し、「良識の府」であるべき参議院においては否決されることを強く求めます。」


谷直樹
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by medical-law | 2012-04-13 08:44 | 医療