弁護士谷直樹/医療事件のみを取り扱う法律事務所のブログ

髄液検査で血腫が神経を圧迫し両足麻痺,松山城東病院提訴の報道を読んで

日刊スポーツ「「検査ミスで両脚まひ」松山市の病院提訴」(2012年5月2日)は,次のとおり報じています.

 「松山市の松山城東病院で医師が誤った検査をした結果、両脚がまひするなどの症状が残ったとして、松山市の男性(51)が2日までに、同病院を運営する医療法人社団慈生会に、介護費や慰謝料など計約2億2700万円の損害賠償を求め、松山地裁に提訴した。

 訴状によると、髄膜炎などで治療中だった男性は出血しやすい体質で、腰から針を刺して髄液を抜き取る検査をすると血腫ができる危険性があった。それにもかかわらず、医師は2007年7月、2回にわたって男性に検査を実施。

 男性は直後から背中や腰の痛み、脚のしびれを訴えたが、適切な治療を受けられず、両脚がまひするなどの症状が出た。

 男性はその後、別の病院へ転院し、脊髄に針を刺したことによりできた血腫が胸から腰にかけて広がり、神経を圧迫していることが判明。男性は介護が必要な状態になったとしている。

 男性は「医師が誤診し、適切な検査と手術をしなかった結果、血腫を拡大させ後遺症を負った」と主張。慈生会は「弁護士に任せており、こちらから申し上げることはない」としている。(共同)」


愛媛新聞「「検査ミスで脊髄損傷」医療法人を損賠提訴 松山」(2012年5月2日)は,次のとおり報じています.

「脊髄に腰から針を刺して髄液を抜き取る髄液検査で、医師のミスにより脊髄が損傷し、その後の不適切な対応で両足や右腕に回復不可能な重度の後遺症が残って寝たきりになったとして、松山市の男性(51)が1日までに、病院を開設する同市の医療法人に対し、介護費や慰謝料など計約2億2708万円の損害賠償を求め松山地裁に提訴した。

 訴状によると、出血傾向がある人には血腫の危険性があるため用いてはならないとされているのに、医師は必要性を説明せず、2007年7月11日午前、出血傾向のある男性から「腰椎穿刺(ようついせんし)」の検査で2回にわたり少量の髄液を採取。男性は背中の痛みや足のしびれなどを繰り返し訴え、12日午後には足の知覚を失ったが、医師は適切な治療や検査をしなかった。14日昼に磁気共鳴画像装置(MRI)とコンピューター断層撮影(CT)の両検査で血腫が判明。その後、09年12月末まで二つの別の病院に入院したが、両足の機能を失うなど寝たきりで介護が必要な状態になったとしている。」


易出血傾向が認められる患者では脊髄硬膜外血腫のリスクが高まります.検査前の説明が紛争課を避けるためにも重要と思います.
易出血傾向が認められる患者が,検査後,背中の痛みや足のしびれなどを繰り返し訴えたときは,普通,血腫を疑い,画像検査を実施すると思います.
私は,現在,カテーテルによる血腫の事故を取り扱っていますので,興味深く読ませていただきました.

谷直樹
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by medical-law | 2012-05-03 03:50 | 医療事故・医療裁判