弁護士谷直樹/医療事件のみを取り扱う法律事務所のブログ

福岡大学病院,医師が無断で持ち出した個人情報入りUSBメモリーが盗まれる

読売新聞「患者68人の個人情報、福大病院医師が盗まれる」(2012年5月11日)は,次のとおり報じています.

「福岡大病院(福岡市城南区)は11日、呼吸器内科の男性医師(30歳代)が、患者68人の個人情報を記録したUSBメモリーを盗まれた、と発表した。

 同病院によると、医師は4月27日夜、福岡市城南区の駐車場で自家用車を駐車して、その場を離れた。しばらくして戻ると、助手席の窓ガラスが割られ、USBメモリーを入れていたバッグがなくなっていた。USBメモリーには、同科で診療を受けた患者の名前や年齢、病名、血液検査の結果などのデータが入っていた。医師は同日、福岡県警早良署に被害届を出し、同署は窃盗容疑で調べている。

 同病院は、患者の個人情報が入った媒体の持ち出しを原則禁止している。持ち出す必要がある場合は、所属長の許可をもらうよう規定しているが、今回は得ていなかった。」


福岡大学病院は,平成24年5月11日,次のとおり「個人情報を含むUSBメモリ盗難について」を発表しています.

「1 盗難の経緯
平成24年4月27日(金)午後9時ごろ、当院の医師が院外の駐車場に駐車していたところ、助手席の窓ガラスが割られ、車内においていたバックが盗難に遭いました。そのバックの中にUSBメモリが入っていました。
すぐに、当院の医師は警察に届け出を行いました。」


この医師が,所属長の許可を得ないで,USBメモリーを持ち出したことにはふれていませんが,この点は重要な事実と思います.

「4 再発防止に向けた取り組み
当院の保有する患者様の個人情報の保護につきましては、従来より取扱いの周知徹底を全職員に行っていましたが、今後この様な事態が起こらないように、あらためて全職員に対し注意喚起等を行いました。今後も再発防止に努めてまいります。
(1)5月2日に開催された全職員を対象とした医療安全教育において、本件の報告と厳重な個人情報の取扱いについて注意喚起を行いました。
(2)各所属長に対し、本件の報告と厳重な個人情報の取扱いについて文書を配布し注意喚起を行いました。
(3)引き続き、会議や職員の研修等を通じて、個人情報の適切な取扱いについて周知を図っていきます。」


注意喚起,文書配布,周知徹底では,再発防止に限界があるのではないでしょうか.
USBメモリーにコピーする際,強制的に暗号化するシステムを導入する必要があると思います.
ちなみに,報道によると,昨年6月以降,個人電磁情報の紛失事故は,以下の施設で起きています.

2011年 6月
慶應義塾大学病院スポーツ医学総合センター
北海道大学病院

2011年7月
医療法人 柏堤会(財団) 戸塚共立第1病院
藤田保健衛生大学病院
昭和大学歯科病院

2011年8月
筑波メディカルセンター病院

2011年9月
千葉県精神科医療センター
鹿児島大学病院

2011年10月
JA茨城県厚生連茨城西南医療センター病院
独立行政法人国立病院機構三重中央医療センター
独立行政法人労働者健康福祉機構関東労災病院
大和市立病院

2011年11月
独立行政法人国立病院機構金沢医療センター

2012年1月
医療法人聖愛会
独立行政法人国立病院機構千葉医療センター
独立行政法人国立病院機構宇多野病院
東京女子医科大学附属八千代医療センター

2012年2月
京都府立洛南病院(ただし一時紛失)
岡山大学病院
藤沢市民病院
長崎大学病院

2012年3月
日本赤十字社医療センター

2012年4月
ごう在宅クリニック(札幌)
静岡県立病院機構静岡県立総合病院
広島大学病院
福岡大学病院

谷直樹
ブログランキングに参加しています.クリックをお願いします!
  ↓

にほんブログ村 士業ブログ 弁護士へ
にほんブログ村
by medical-law | 2012-05-11 21:24 | 医療事故・医療裁判