弁護士谷直樹/医療事件のみを取り扱う法律事務所のブログ

「抗がん剤等による健康被害の救済に関する検討会」大詰めへ

「第10回抗がん剤等による健康被害の救済に関する検討会」が,2012年7月13日10時から開催されますが(傍聴希望は11日なで),抗がん剤の副作用で被害を受けた患者を救済する制度の創設が見送られる,という見方が報道されています.

薬害イレッサ訴訟原告団・弁護団は2012年7月10日,小宮山洋子厚労相と同検討会の森嶌昭夫座長に,救済制度創設に向けた具体的な検討を続けるよう求める要望書と試案を提出しました.13日の検討会の議論に注目したいと思います.

キャリアブレイン「抗がん剤の副作用被害救済制度で試案- 「検討継続を」とイレッサ弁護団など」 (2012年7月10日)は,次のとおり報じています.

「抗がん剤による副作用被害の救済制度を議論してきた厚生労働省の検討会が、制度の創設の提案を見送る可能性が高まる中、薬害イレッサ訴訟の原告団、弁護団などは10日、制度創設に向けた具体的な検討を続けるよう求める要望書と同制度の試案を、小宮山洋子厚労相と同検討会の森嶌昭夫座長あてに提出した。

 同試案では、死亡に至った副作用か、入院が必要な重篤な副作用を救済対象に設定。ただ、抗がん剤が対象外となっている現行の副作用被害救済制度では、入院8日以上か未満かで医療手当の給付額が違うことに考慮し、8日未満の入院は対象から外した。また、医療費・医療手当、遺族一時金・葬祭料の給付額は現行制度の範囲内とした。
 このほか、抗がん剤が適正に使用されたかどうかの判定などについては、承認内容から外れた適応外使用の場合でも、抗がん剤治療におけるエビデンスを踏まえた個別判断で判定されるべきとした。これについて、弁護団などは「現行の抗がん剤治療に不当な委縮をもたらすものとは考え難い」と説明している。
 ただ、試案と共に提出した要望書では、「もとより、よりよい制度設計が可能であれば試案にこだわるものではない」としており、あくまでも制度創設に向けた検討の継続を第一に訴えている。

 同日の記者会見で、東日本訴訟弁護団の阿部哲二事務局長は「検討会を傍聴していて、具体案に基づき、どういう場合にどういう問題があるかという討議がされていないと感じる。この試案を基に、改めて審議を継続するよう強く望んでいる」と述べた。
 また、弁護団の小池純一弁護士は「(検討会の委員で)制度が不要と言う人はいないが、多くの人がマイナスの影響があるのではないかと発言していたが、制度をつくることで、プラスの効果の観点もぜひ考えてほしい」とした。具体的には、副作用を減らすために製薬企業側が副作用情報を積極的に提供することなどによる、がん医療の安全性の向上を挙げた。

 抗がん剤の副作用被害救済制度をめぐっては、6月に開かれた同検討会の前回会合で、今後の議論の方向性について話し合ったものの、「制度設計を急ぐと、かえってがん医療を委縮させてしまう」など、慎重論が相次いだ。13日に開かれる次回会合では、検討会としての取りまとめに向けた検討が行われる予定となっている。【津川一馬】」


谷直樹

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by medical-law | 2012-07-11 02:28 | 医療