弁護士谷直樹/医療事件のみを取り扱う法律事務所のブログ

北野病院,無施錠で保管していた筋弛緩剤エスラックス5本を紛失

読売新聞「北野病院、筋弛緩剤を紛失…誤廃棄か」(2012年7月13日)

「大阪市北区の北野病院は13日、成人15人分の致死量に相当する筋弛緩(しかん)剤「エスラックス」5本(250ミリ・グラム)を紛失したと発表した。誤廃棄の可能性が高いとしている。薬事法で毒物に指定され、施錠した場所での保管が定められているが、同病院では無施錠が常態化していた。大阪府警は薬事法違反の疑いもあるとみて管理状況を調べる。

 同病院によると、手術部の保管庫に60本を常備し、使った分を麻酔科の当直医が翌朝補充している。7日朝に不足が判明。調べたところ、普段から保管庫は施錠されておらず、5、6両日の補充の際に在庫数を確認していなかったことがわかった。「第三者の侵入による盗難は考えにくい」という。

 同病院は7日に府警に相談。9日に市保健所に報告し、施錠や在庫管理を徹底するよう指導を受けた。

 藤井信吾病院長は「管理に問題があったのは明らかで、ご心配をおかけしたことをおわびします」と謝罪した。」


なお,筋弛緩剤の紛失は,以下のとおり報道されています.

佐賀大学医学部付属病院で平成22年12月(但し公表は平成23年6月)に1本
独立行政法人国立病院機構名古屋医療センターで平成23年1月に10本
独立行政法人国立病院機構千葉医療センターで平成23年9月に1本
愛知厚生連海南病院で平成23年9月に1本
有田市立病院で平成23年9月に10本
浜松医療センターで平成23年9月に1本
NTT東日本札幌病院で平成23年12月に2本
社会福祉法人恩賜財団済生会熊本病院で平成23年12月に3本
市立室蘭総合病院で平成24年3月に1本
地方独立行政法人福岡市立病院機構福岡市立こども病院・感染症センターで平成24年7月に1本
公益財団法人田附興風会医学研究所北野病院で平成24年7月に5本

他の病院の報道に接したとき,自院は大丈夫か,と点検しないのでしょうか?

【追記】

MSN産経「保管庫のカギしていなかった!筋弛緩剤紛失、病院麻酔部長を書類送検 大阪府警」(2013年4月5日)は,次のとおり報じました.

 
「大阪市北区の北野病院が昨年7月、保管していた筋弛緩剤「エスラックス」5本(計250ミリグラム)を紛失した問題で、保管庫を施錠していなかったとして、大阪府警曽根崎署が薬事法違反容疑で、管理責任者の麻酔部長だった男性医師(54)と、法人としての同病院を書類送検していたことが4日、分かった。

 同署によると、エスラックスは薬事法で毒薬に指定され、貯蔵時の施錠が義務づけられている。

 送検容疑は昨年7月4~7日、手術準備室にある保管庫で筋弛緩剤を保管する際に施錠しなかったとしている。医師は「頻繁に使うので施錠していなかった」と供述、無施錠が常態化していたとみられる。

 同病院によると、保管庫には60本を常備。医師は昨年7月4日夜に60本あることを確認したが、翌5日と6日は全体の本数を確認せず、7日になって5本足りないことに気づいた。紛失した筋弛緩剤は成人15人分の致死量に相当。病院側は「誤廃棄の可能性が高い」と説明していた。」


谷直樹

ブログランキングに参加しています.クリックをお願いします!
  ↓

にほんブログ村 士業ブログ 弁護士へ
にほんブログ村
by medical-law | 2012-07-18 17:49 | 医療